なんでもない3日間の出来事
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片方の頬にまだ腫れだしたばかりの打撲の痕をつけたメローネが、パソコンを開いて地図を確認していた。
「飼い猫や飼い犬に埋め込むICチップをナナシの耳に埋め込んでおいたんだ。いつ、だれとホテルに行ってるかチェックしておきたいからな!いつ絶頂したか解るように心拍計測だって出来るスグレモノでさ、リーダーにも」と途中まで聞いて、メローネの頬に『ささやかな』一発を見舞ったギアッチョが、画面を覗き込む。
「そいつはお手柄だったな」と口では言いながら、複雑な怒りを未だ隠そうとしないイルーゾォも、メローネの足をグリグリと踏んづけながら覗き込む。
神経が集中する足先を踏まれて痛くないはずはないだろう当人はそれに構わず、縦横に規則正しく刻まれた目盛りをイチニイサンと数えた。
「X軸とY軸の交差点はここだからぁー」
「「今どきデカルト座標かよ!」」
「ばかだね、世界の大基準だぜ。なんだかんだ言ってこれが一番正確なんだ!それにしても、位置は……位置は、合ってるんだよ」
「位置は合ってるって言ってもッ……
……なんにも『無い』じゃあないか!!!」
ペッシは叫ばずにはいられなかった。
目の前には、水の枯れかけた噴水。
傘を逆さにしたような上の受け皿には落ち葉を積もらせ、申し訳程度の水がチロチロと落ちてくるだけの。
「どうしろっつぅんだ、アァッ!?この中に埋められてるとでも言うのかクソ!!テメェのハラワタ掻き出して古代エジプトの『ハラワタ占い』でもしてやろうかこの脳無しがッ!無い脳ついでに頭蓋骨火にくべてヒビでテメェの運命占ってやろうか、それとも上腕骨と大腿骨をアキレス健でL字にくくってダウジングすっかゴルァアアア!!!」
「わああァアアギアッチョオォォ脳ーォみそ溶ーけるーゥゥゥ」
一気に沸点へと上り詰めたギアッチョが、メローネの胸ぐらを鷲掴みカッコンカッコン前後に振った。
ビロビロに伸びた磁気テープの声で抗議したメローネの手から、パソコンがパタンと落ちる。
ペッシが地図と照らし合わせる座標に狂いはなく、レーダーが指し示す位置にも変化は無い。
「座標の位置がが合ってるなら、空に飛んでる島があるか、それとも地面に穴掘って潜ってるとか……あ、」
「「地下ァーッ!!!!」」
メローネを振り回す手を止めたギアッチョと、ギアッチョに解放されて尻餅をついたメローネが、そろって大きな声をあげた。
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