なんでもない3日間の出来事
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プロシュートは肩のホルスターから素早く銃を抜いた。
トカレフから放たれた渾身の一発。
クーパーの左前輪を見事にバーストさせた。
回転する車体から、遠心力に金色の髪を振り乱した男が身を乗り出し、こちらに銃口を向けた。
独楽のように狂い回る車から狙われたとは思えないほどの正確さで、弾丸はプロシュートの心臓を捉えていた。
そこで金髪…メローネは、反射的に発砲した先の相手が『プロシュート』だと、初めて認識した。
逃げ場の無い鉄塔の頂上。
弾が心臓を突き抜ける前、発砲音と同時に、革靴はためらい無く鉄塔を蹴っていた。
橋桁が真横に見えた。
落下するプロシュートへ向けて、回転する車体から太い腕が伸ばされた。
赤とも青ともつかない必死の形相は、よく見知った弟分のペッシ。
しかし、ペッシの手の位置は落下するブルーグレイのスーツのスソにすら届かない!
ここに捕まれればと蹴り開けたミニクーパーのドアが、太い橋桁にぶつかって跳ね返った。
――――届かない!
「つ か ま れ ェ ー !!!」
片腕でプロシュートを掴み、反対の手をいっぱいに伸ばしたグレイトフルデッドの鋭い爪が、鋼鉄のドアに三本の深い痕を付けた。
青白い火花が散る。
金属板を引き裂いた異形の手は離れ、ほとんど水が涸れた数十メートル下の河へ…
――――bad end。
あとは、叩き付けられて粉々になった、肉塊。
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