なんでもない3日間の出来事
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橋の入り口に張られた特殊フィルムが、 霧のなかでかすかに揺らぐ。
ミラーコーティングフィルムは、車のフロントガラスに貼り付ける目的で製品化されたものだ。
鍵をかけ忘れた不用心な車の整備工場から、とてつもなく大きな一枚物を頂戴してきた。
ミラーの奥に広がる、現実を反転させた『もう一つの世界』。
イルーゾォが作り出した鏡の中の空間は今、プロシュートの『グレイトフル・デッド』で発生させた霧が充満している。
加速度的に歳をとる死の霧の濃度は、拡散を防がれた世界でとびきりの濃度に煮詰められていた。
薄さ一ミリのフィルムが、地獄の釜の蓋を大きくあけてエモノの突入を待ちかまえている。
あと五秒。
四、
三、
プロシュートは口の中で行ったカウントをダウンさせ、レンズ豆サイズのバックミラーに映り込んだターゲットの間抜けヅラを確認した。
それはそれは、よく見知った間抜けどもの顔を。
「突っ込むなァアーー!!!」
イルーゾォにも、ユニオンジャックのミニクーパーに乗った乗員にも、叫びは届かなかった。
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