なんでもない3日間の出来事
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ギイィアアァッチョーオォオォ、君の運転技術はいつになったらアアアア向上ウゥするんだァアああ?」
「黙ってねぇと舌かむぜッ…ッテェ!!」
ピクニック気分で声高らかに「帰れソレントへ」歌を歌っていたメローネが、ギアッチョの乱暴な運転についに口を挟んだ。
位置のずれたスプリングが、古い外国産車のシートをボヨボヨとバウンドさせ、またもやメローネとギアッチョとペッシの体を天井に着くほど放りあげる。
うっかり口を開いてしまったタイミングの悪いギアッチョが、頬の内側をカクンと奥歯で噛んだ。
……内部まで錆だらけの倉庫。
時代錯誤の蒸気船に影に隠されるように、ホコリをかぶった古い車が一台駐車されていた。
中を覗くと、不用心にもキーは刺さったままで。
バックシートには、アタッシュケースがひとつ、それだけが真新しい銀色の光らせて鎮座していた。
「……エンジンかけた途端に大爆発!なーんて」
メローネの言葉に、ペッシは後部座席のドアノブにかけた手をパっと放した。
「ペッシペッシペッシ、ペーッシよォ。死ぬときゃ死ぬんだから、とっとと行くぜ」
ペッシを諭すメローネもギアッチョも、ひとつの懸念から逃れられたことに愁眉を開いた。
海のど真ん中に放り出されてしまえば足掻きがとれなくなるが、地続きであれば逃げ場が出来る。
組織から信用を失ったチームのメンバーである以上、神経質なまでに物事の一つ一つを憂えるのは仕方のないことだ。
.