なんでもない3日間の出来事
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思い起こせば、指示された場所が『湾岸の倉庫』というだけで、3人は小型のクルーザーか何かを想像していた。
もちろん、この倉庫の扉の前に立ったときも。
まさか、時代錯誤も甚だしい、ただちに動かせるとは到底思えないポンコツ船を宛われるなどとは、とうてい、夢にも思わずに。
「『これ』を動かせる技師を拉致してこい、とか言うんじゃあないだろうな」
「そんなァ、ロールプレイングゲームでもさせようってんですかねェ」
ため息混じりに冗談を吐いたメローネに、ペッシもガクリと肩を落とした。
「クソッタレがァ!!」
足下に転がったオレンジ色の大きなブイ(浮き具)を、 ギアッチョがこれでもかと蹴飛ばした。
壁に跳ねっ返った球体は、ヒビを入れながらバウンドして倉庫の奥……船の影へと姿を消す。
その様子を何気なく目で追っていた3人の視線が、倉庫の最深部で止まる。
「もしかして……アッチ、かよ?」
「そうじゃあないと、困るな」
苛立っていたギアッチョが一番先に、そちらへの一歩を踏み出した。
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