なんでもない3日間の出来事
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「「ホルマジオォォオオ!!!」」
ソファからの跳躍は遅れたが、ナナシも転がるように走り出した。
もちろん、この僅かの間にホルマジオと言葉を交わしたわけではない。
瞬時の状況判断、そして運動神経への脊椎反射が、ナナシの体を逃亡体制へ導いた。
先に走りだした赤毛のボウズ頭が目指したのは玄関に続くドア。ではなく、キッチン。
昨日彼が苦心して磨き上げていた排気口は、今後のための逃亡用通路にするつもりだったのか。
なんという周到さだろうか。
追跡者の罵倒が後ろから打ち込まれる。
無論、そんな殺傷能力のないモノなんかに足止めなどされはしない。
「テメェは冗談で人殺しさせるゲスになったのか、クソ野郎!」
「冗談で人を殺すほど暇なら、サバイバルゲームと洒落込むか?制限時間は無制限、死ぬまで捕まらなかったらお前らの勝ちだ」
ギアッチョとイルーゾォが掴みかかった手が、ホルマジオとナナシのシャツの背中を掴む。
それとほぼ同時に、リゾットの腕がすれ違いざまのギアッチョとイルーゾォの襟首を捕まえた。
「そんなに退屈がイヤになったか。ちょうど良かったな、任務だ」
勢いの納まらないギアッチョのよろけた体当たりを胸でドツンと受け、リゾットは全員をリビングにUターンさせた。
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