道化師A
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真っ赤な帽子の羽根飾りにベルトのつめを引っかけたホルマジオが、小さな手を駆使して引っかかりを外した。
ボトリと地面に落ちる最中に大きさを元に戻したが、石のステージに尻もちをついた。
あちこちに放り出された金を回収し終えたイルーゾォが、顔の上半分を覆っていたマスケラを外す。
顔の下半分で愉快そうに笑っている仮面を外したメローネの口元は、マスクに負けないほどニンマリと笑っている。
「やぁやぁジェントル、名演技だったよ、レッドカーペットにお招きしたいくらいさ」
メローネは真っ赤な燕尾服を脱ぎ、ホルマジオの脇に大きく広げて、真っ黒な裏地の上に金をザラザラと落とした。
「あたりめーだ、ついでに、アイツには助演女優賞をくれてやらねぇとなァ」
少額のコインを種別に分け、ひぃふぅみぃと数え始める。
迫真の演技を見せて出ていったナナシが、イルーゾォに連れられてステージの奥から現れた。
「ホラ、本日一番の演技を見せたヒロインにもう一度拍手をちょうだいよ」
靴が片方脱げたナナシにパンパンと拍手したのはイルーゾォだけで、メローネとホルマジオは金勘定に夢中になっていた。
THEE END
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