チョコレヰト
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サントヴァレンチーノの数日前。
珍しく午前中に姿を現したプロシュートの姿が、いつものソファに見あたらなかった。
髪の手入れを怠らない奴のことだ、またバスルームの一番大きな鏡の前にいるんだろうと、リゾットは単純なアタリをつける。
プロシュートに見られて困るものがあるわけでなし。
ノックの必要もないかとノブに手を伸ばしたとき、三センチほど隙間の開いたドアの奥に抱き合う人影が見えた。
「…」
このままコトを始めようかという、熱烈な口付け。
腰が砕けかけたナナシの背中を支えて逃げようのない形に抱いていたが、合意の上であることは間違いなさそうだった。
『わざとらしく』開けてあった隙間はこのためか。
この濃厚なキスシーンに出くわして、何か声をかけよう気など起こるはずもない。
なにをできるはずもなく、呆れ半分に立ちつくしていたそのとき。
細い腰を抱いていたプロシュートの手が邪魔な蝿を払うように、『シッシッ』とこちらへ振られた。
後に行われた質疑応答の場で、件の容疑者は事件の全貌をあっさりと白状した。
煙草をふかしながらという最低最悪の態度で、ゲエムはまだ半分も終えていないことを聞かせ、ポケットから出したささやかな賄賂をリゾットに押しつける。
身勝手で淫らなゲエムの一番の被害者は、すみれ色の銀紙に包まれたチョコレヰトを、興味もなさそうにテーブルへと転がした。
すみれの砂糖漬けが飾りになったチョコレヰトの包みは埃をかぶり、誰の口に入ることもなく、そのうちキッチンの
THEE END
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