チョコレヰト
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体が半溶けのモッツァレッラになり、体の
鏡の世界へ招待された回数は数え切れないほど、時間にすれば1秒程度。
それでも前触れ無しに誘われると、細胞の感覚に脳が付いていかない。
「イルーゾォ、用があるなら先に声をかけてったら」
背筋に反射的な、嫌な緊張が残る。
振り返った先に捕らえた、鏡の影へ滲んだイルーゾォにごちた。
「うん。聞かれたら都合が悪いんじゃあないかと思ってね」
問いかけには謝りもせず、何か思惑を抱えた時特有の
「最近、よくイチャついてるのを見せつけてくれるよな。ついにアイツの女になった?」
「まさか、ただのゲエム。あなたに見付からないはずは無いと思ってたけど、やっぱりね」
「ふゥん」
細い顎にナカユビを引っかけ、ほお骨を人差し指でトントンとノックする。苛立っているときのクセだ。
斜に構え、何もない足下に鋭い視線を泳がせる。
「それは、」
「俺か誰かが『何してるんだ?』なんて声をかけた時点でご
「ご名答。でも、まだ始めたばっかりなの。ね、黙っていてくれる?お願いよ」
「いいけど、分け前を寄越しなよ」
さっき受け取った一粒は、口の中ではなくポケットの中にある。
この包みをプロシュートから受け取るのは初めてだが、包みに見覚えがあった。
真っ黒なチョコレヰト球の中には、乾燥
今まで受け取ったのは全部が違うフレイバー、差し出してしまえば、これとの再開は難しくなる。
手に入るチョコレヰトの数が減るのは勿論痛いが、それでも全てを失うよりはまし。
不自由な選択に不満はつきないが、イルーゾォの取引に、しぶしぶ応じるほかなかった。
「……しょおがないわね!すごく美味しいんだから、一つだって惜しいのに」
「買えないほど高いわけでもないくせに」
イルーゾォはボンボンを差し出す手首を手で避ける。
音もなく体の距離をつめると、数分前、忌々しい金髪と口付けあっていた唇にキスをした。
和平とまではいかないが、最大の難点を
そのたびモッツァレッラの気分で引っ張り込まれるのはのは嫌よ、と、ナナシはイルーゾォの唇に約束させた。
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