†クリスマス†
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改めて考えてみると、メンバー各々が欲しいものなど考えつかないものだ。
クリスマスを控えた日の午後。
リゾットは所定位置のソファへ深々と腰掛け、ギアッチョとホルマジオの喧噪を聞きながら遠い瞑想に耽っていた。
ギアッチョが銃火器に異様な執着を見せるのは理解している。
まさか、危険物にクリスマスカラーのリボンをかけて渡せるか。
ホルマジオ。
前は女がどうの…とよく口にしていたのが、最近はめっきりだ。
趣味らしい趣味など知らん。
イルーゾォはアジアンカラーを好んで身につけている。
しかしあの神経症が、人から貰ったものを身につけるとも思えない。
ペッシは釣りの道具がいいだろうか。
専門知識に薄い分野で、玄人が喜ぶ道具を選ぶのは難しい。
プロシュートと顔をつきあわせればベアライン(下り坂)の株価のことばかりだった。
かと言って、個人が操作できる株価の範囲など、たかが知れている。
メローネが喜びそうなもの。
… … …
だいたいの想像はつくが、見たくも触りたくも考えたくもない。
「リーダー、カップを下げても?」
「あぁ」
女の声で我に返ったリゾットは、ナナシがコーヒーカップを持っていく後ろ姿をうんざりと眺めた。
『こいつが一番やっかいだな』
ブランドの好みにはうるさい。
アクセサリーの好みにもうるさい。
その上、値段やセンスで男を計ろうとする。
世間一般の女性像に照らし合わせるなら、こうなる。
足や服のサイズなど知りもしない。
甘い菓子なんか与えて「太らせるな」とプロシュートにどやされるのも面倒だ。
考えあぐね、各難題の結論を諦めたリゾットは、とりあえず『しかるべき手段』を用いてギアッチョとホルマジオを静かにさせた。
全員の注目をあつめ、ここ一時間ほどの身勝手な葛藤を一言に集約する。
「…ナターレは休暇にする」
「ラジャー」
真意を汲もうともしないダレた返事が、方々から返ってきた。
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