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リゾットが放ったピンク色の下着は、壁際にずらりと並んだ靴のひとつへフワリと落ちた。
ベージュの牛革をバックスキンにした、レッドウイングのエンジニアブーツの底。
リゾットの背がリビングに消えるのと同時、入ってきたソルベは履いていた靴をブーツに履き替えて出て行く。
やわらかなアクリルはソルベの足に違和感をもたらさなかった。
ジェラートはソルベの重みを胸に受け止めた。
爬虫類…トカゲかイグアナの類(たぐい)と同じような生気のない目が、自分に向くときだけは欲望の炎をヌルリと帯びる。
それは自分も同じ類(るい)だからだと、ジェラートには自覚がある。
聖書か何かに記されているらしい禁忌を犯した者同士、そこにはもちろん、何か特別な感情があったうえで。
ソルベがジェラートのシャツの釦をほどいていったので、ジェラートは腹から手を入れてソルベのTシャツを脱がした。
ジェラートがソルベのバックルを引っ張って突起を穴から抜いたので、ソルベもジェラートのパンツのファスナーを下ろした。
パンツが引っかかって、お互い脱がし忘れていた靴を脱ぎ捨てた。
バタンと倒れたブーツから、ソルベの足先に引っ張り出されてピンク色の下着が滑り出た。
先に気がついたのは、覆い被られているジェラートのほうだった。
開かれたかたちで床に寝そべるそれに、『悲しい』『腹が立つ』という感情でもなく、何か理由や理屈を考えるでもなく、ジェラートの頭は溶けた鉄ほどの熱に急激に支配される。
こけた頬に触れていた手を振り払うと、ソルベの伸びていた爪がジェラートの腕に赤い線をつけた。
みみず腫れになり出す前に腕はソルベの腹に喰い込み、反対の手は前のめりになったソルベの頭を掴みあげる。
膝が顎の骨を砕くほど強く蹴り、手は脊椎を間二つに折るほどしたたか打った。
ソルベは抵抗しなかった。
丸めた背を差し出し、ジェラートが打ちたいだけ打たせるままにする。
重い音、軽い音、軋み、歪んだ音。
打つがわのジェラートから呼気に混じってわずかな声が漏れ、ソルベはなにも言わない。
崩れそうなバランスでベッドの上に立った真裸の男が、ブランケットの上に丸まった真裸の男を35分間、摂関し続けた。
蹴る脛(すね)が痛み、膝が軋み、手のひらが腫れ上がっていた。
ジェラートは、たった今まで自分が打たれていたかのように、ベッドの上のソルベの背中にくず折れる。
ソルベは腫れた手のひらをそっと取り、疲れ果てた可哀想なジェラートを抱きしめてやった。
THEE END
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