贖罪
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
弓張り月の浮かぶ空には雲のひとかけらもなく、悲しいくらいに晴れ渡っていた。
そして、日の光も月の明かりも届かない深海の闇と同じ色のメルセデスが到着したとき、海風はいちど完全に呼吸を止めた。
木々の間を抜けた断崖絶壁の先端部。
車一台分と少しの余裕しかない。
波が断崖に打ち付け、砕けて残る余韻を待つことなく次の波をぶっつける。
それぞれの個性を強調するデザインの靴が草を擦る音をたてるが、それも波の音に飲まれて風に吹き消える。
静かな足音が腐葉土に沈みながら一点に集まった。
.