ドミノ ージエンドオブエデンー
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「目的は何だ」
焼けただれた黒い痕に冷たいトカレフのマズルが押し当てられる。
しかし、転がったままのメローネは己の生命の危機を無視して続けた。
「ペッシがもっとツカエルようになって、『もしかしたら、ひとりでも逃げられるんじゃあないか』ってくらいになった時、…組織から抜けたいって言い出したら」
埃まみれになった金髪を、重力にまかせるまま寝かせていた。
視線の先には、明け方の光が影を作る雲が漂う。
耳だけで、石畳を伝ってくる三人分の新たな足音を捉えた。
距離を置いて、足音がひたりと止む。
「もしアンタが馬鹿なナナシの立場だったら、さ」
プロシュートの冷えた目には答えを画策つもりなどなく、メローネを地面へ縫いつけるような視線を注ぎ続けていた。
しかしメローネは地べたからやや頭を浮かせ、足音の方へと視線をやる。
「───ねぇ?頭のいいアンタならどうする?」
古い小型のクーパーの前に、顔色を失ったペッシ。
リゾットに促されて車から降りる、これも蒼白に表情のないナナシ。
寝たままの姿勢で不自由そうに首をもたげ、メローネの潰れた喉がかすれ声を出した。
「あのまんま、逃げちまえば良かったのに」
「自分にかかずらわった奴らがバタバタ死んだら、気にもなるわ」
「ヒトゴロシのくせに」
逃げ隠れの必要が無くなったせいか、立ち居振る舞いも言葉も普段と何ら変わりなかった。
メローネは諦めに笑みを浮かべ、また石畳へと後頭部を預ける。
視線は、覆い被さるプロシュートの先の空。
わだかまり続けた虚空の呪い、高い空に散る雲へと向けられた。
「あーあぁ、情熱も陶酔も、狂気も異常な性癖も、ぜーんぶ溜め込んでるくせに!お澄まし顔でいられるんだからなアンタらはさぁ!!
ヒヘヘヘ、
なぁ
ソルベとジェラートがボスのナワバリを全部手に入れたいって言い出したら
───アンタなら、どうした?」
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