シュールマルーシェ
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「……これでも、お前個人の働きは評価している。カネをくれてやるにも、色々と名目が必要だろう?」
黒と白が散らかったままのテーブルの脇、カーテンの影で、『ソ…
ディアボロのギラつく双眼はナナシがハーレーに乗り込むのを見下ろしていた。
そのまま視線を上げれば、目の前には延々と続く白い壁と赤い屋根、教会の鐘楼が寒々しい空へとひとつ突き出している。
誰が知ることもない、ここいらで最も素晴らしい風景。
そしてこの窓から見晴らす限りの中に存在する全ては、今、自分の手中にある。
クリスマスが迫った日。
もう午後の遅い時間だというのに、葬送の寂しげな鐘の音が窓を叩く寒風に運ばれて街を包み込んだ。
物悲しい音色はメロディーにもならず、言い知れぬ郷愁を誘う。
重なり合い離れ合う赤い屋根の向こうにコバルトブルーの海を思い描き、ディアボロの意識が遠い昔の出来事へと漂った。
途端、全く別人と思われるほどにあどけなさを浮き上がらせたが、それはまばたきの間に消え失せる。
「そういえば、ひとつ『仕事』が残っていたな」
しばしの興を楽しんだディアボロは、受話器を取ってダイアルに指をかけた。
トゥルルルル、
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