ノンセクト
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クリスマスプレゼントのつもりらしいダンボールの箱がひとつ届いたのは、あらゆる仕事がいい加減なイタリアにしてはかなり早い時間だった。
昨日は父親名義のプレゼントが一つ届いていたから、差出人は……案の定、母親。
八十センチ四方を超える重たいそれを抱えて部屋に引き返し、ドスンと置いてガムテープを千切っているときだった。
…コン…、コンコン。
配送屋の去った玄関の方から、ノックの音らしきものが数回、聞こえた。
…コンコン。
耳をそばだてれば、別の部屋の音が響いたのかと勘違いするような遠慮がちな音が、次は確かに、自分の部屋のドアをノックした。
『幸運はドアをノックする』とは言うが、この時本当に『lucky』がオレの部屋のドアをノックしただなんて思いもしなかった。
曇ったドアスコープをのぞき込むと、
まさか、
まさか、
まさかだろ?
連絡することをすっかり諦めてしまっていた『屋上のかわいこちゃん』が、そこに立っていたのだ!
「えーと…good night?」
「
ドキドキしながら開けたドアの前で、チラっと上目づかいでこちらの様子を伺いながら、ノックと同じくらい遠慮がちに口を開いた。
「Good evening.」
「Hi,
わざわざ下手な英語なんかで喋らなくってもいいのにと、どきつく胸をどうにか抑えて返答していた。
それこそ、ハイになりすぎたテンションは思考をおかしな方へ向かせてしまう。
「突然なんだけど、かくまってもらえる?」
「『かくまう』?」
彼女の訪問こそが突然だったが、その唐突であまりに不可解な申し出に、つい頓狂な声をあげてしまった。
彼女は意味が通じなかったのだと勘違いしたようで、
「かくまう …保護する?…えーと、隠す、隠してほしい」
何か噛み砕いた言い方を探している。
「『かくまってほしい』のは解った。まぁ、とりあえず入んなよ」
歓迎しながら、部屋をもう少しどうにかしておけば良かったと心から悔いた。
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