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トロトロ半熟の黄身に仕上げられた目玉焼きとカリッカリのベーコンをトーストに乗せてバーベキューソースをぶっかけた。
イタリアに来たばかりの頃に買ったはいいが、結局使っていなかったチーズおろしを持ち出してエメンタールを削ってくれる。
穴あきチーズが乗っかって美味そうに仕上がったオープンサンドに、オレは思い切りかじりついた。
パンのフンワリ感とか、ミミのバリっと香ばしい感じ。これ、今朝買ってきたんだろう。
黄身の液状と固形の中間部分を引きずり出す。
このムチムチしてトロっとしてネットリした濃い黄身が好きだ。
ナナシは「薄すぎてお湯と同じだわ!」と言っていたコーヒーを黙ってすすり、ニコニコとこちらを見ている。
「昨日、」
「黄身がほっぺたに付いてるよ?」
「グラッツェ。 ……で、昨日、」
「野菜も食べてね。この時期のトマトは美味しくないかも知れないけど。ドゥーユーアンダスタン?」
「
野菜だけのサラダなんか嬉しくないんだけど、チーズソースを山盛りにかけてワシャワシャ口に放り込んだ。
キドニービーンズがムカつくほどマズい。
あからさまにはぐらかしているのが解ったからオレは追求をやめ、 皿に落ちた黄身を最後の一口ぶんのパンでぬぐって口に放り込む。
ただ、『かくまっている』以上はナナシを守ろうと決めた。
本人の口から何も聞けない(オレのヘタレ!!)のであれば、あとは強制的に足を『留めて』おけばいいんだ。
手段は、ある。
計略をめぐらすオレの前からナナシが席を立つ。
「どこ行くの?」
「洗面台。顔を洗いに」
「早く戻って来なよ。トムとジェリー見るんだから」
「Yes, I understand.」
ナナシの背中をいったん見送り、自分の部屋とは思えないほど磨かれた流し台に食器を置く。
足音に気をつけつつ、頭の中にはピンクパンサーのテーマソングを流しながらオレはバスルームへと忍び寄った。
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