ラバー・ゲイジ
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電話を切った後、ペッシは落ち着き無く部屋を歩き回り始めた。
さっき出たと思った結論は別の考えに邪魔されて、また新たに隙ができている。
「ダメだ、…そうか、よし」
ひとり納得してペンを取り上げ、尻のポケットからスケジュール兼メモ帳を取り出した。
───この日、ここでヒトをコロすなどと予定を書いた手帳が世界にあるものか。
プロシュートにそう罵られて以来、見つからないようにこっそりと持ち歩いていた。
以前より使用頻度は下がったものの、『持っている』という安心感。
船乗りが時化(しけ)を避けるために蝋燭の燃えカスを持つのと同じで、お守りのようなものだった。
座った尻のカーブと同じに変形したページの、空のところを開く。
殺人事件当日、行動を確認できていない人物。
ホルマジオ。
リゾットと任務にどこか国外へ行った。
その後の消息は不明。
と書けば大袈裟だが、所在を確認できていない以上はこれでいい。
イルーゾォ。
ワイヤーワークにかけては、チーム1だとプロシュートが言っていた。
そんな方法を使えるのは、鏡の中に自分の世界を持つイルーゾォだけだと。
ギアッチョ。
同じバレル傷の残る弾丸の一つや二つ、簡単にこしらえるだろう。
銃自体、全く同じものを組み立てて見せたことだってある。
しかし事件の夜、イルーゾォとギアッチョの2人は任務だった。
メローネとリゾットとプロシュート。
事件当日は、湾岸の貸倉庫で男を一人、殺った。
ソルベとジェラート。
居ないのは、いつものこと。
ペッシが個人的に連絡を取らねばならないような要件は、今までに一度も発生したことがない。
何を考えているのか想像の出来ない二人には、苦手意識もある。
消息不明。
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