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なぜ自分に経験がないのがバレてしまったのか!?
いや、そういう問題ではない。
『大人になりたい?』
つまりどういう意味なのか。
ペッシの頭はガツンとレバーを叩かれたスロットリールのスピードでグルングルンと回り始める。
『大人になりたい?』
大人になるとは、つまり…そういう意味なのか。
高速回転を続ける頭と均整をはかるかのように、ペッシの体はナッツに手を伸ばした形のままで動きを止めてしまっている。
火のついた顔の上に緑色の髪が逆立って、ラディッシュのようになっているペッシの頬をちょんとアニカが突っついた。
細められた瞳は優しくて妖しくて、ちょっとエッチな冗談でネンネのペッシをからかっている…ようには、とても見えない。
「…教えてあげようか?」
深い赤の唇から白い歯が覗き、チロリと軽く舌を噛んでみせた。
色っぽいを通り越して卑猥なしぐさに、ペッシの心臓は爆発寸前、頭も体もイケナイことを期待して、ぐんぐん体温が上がる。
体温計をくわえていたら赤い液溜まりがグングン上昇するのが目に見えたかもしれない。
『この甘ったれ!早くマンモーニを卒業しやがれ!』
プロシュートの叱咤の意味を、今まさに言葉ではなく心で、打ち落とされた稲妻の強烈さでペッシは理解した。
頭の中のスロットリールが左から順に、7、7、で止まる。
落ち着くために息を飲み込んだ喉が、思った以上に大きくゴクリと音を立てた。
チェリーで止まりかけた一番右のリールが、上からゆっくりと7を上降ろしてくる。
───ここで頷かずに何が男か。
ペッシは心の中で自分によく言い聞かせ、そして宣言した。
兄貴、
オレ、
男になります。
決意とともに、手の中に一粒残っていたピーナッツが、メキッと音を立てて握りつぶされた。
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