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ペッシがフラワーショップ・フィオレリアの女主人と仲良くなったのは、新年を迎える者たちが集まった協会の広場での、偶然の再会がきっかけだった。
「ねぇ!あの時のマンモーネでしょう?」
ぐいと腕を掴み、面白いものを見つけた!と言わんばかりにぱっちりとした目がペッシを見た。
暖かそうなファーコートの肩に髪を下ろし、寒さとアルコールのためか頬と鼻の頭を真っ赤にしている。彼女は、クリスマスローズをくれた数日前よりずっと若く見えた。
「そ、そうで「みんなぁ、お友達を紹介するわ!マンモーネ、名前、何だっけ?」
ペッシが何か返そうとする前にくるりと背を向けて叫んだ。肩の上に踊る茶色の髪から、深く爽やかで少しだけクセのある香りが振りまかれる。
ぐいぐい引っ張り、ついに仲間の輪に入れてしまった。
そこでペッシは、彼女がアニカという名なのだと初めて知った。
それから花屋の女主人…アニカは、店の前を通る度に「チャーオ!」と声をかけるようになる。
ペッシも「チャーオ」と返すようになってから、ずいぶん経った。
「チャーオ、これからあいてる?」
何度目かの挨拶を交わしたアニカが、店の前のバケツに花をバサリと入れながら声をかけた。
ペッシが「はい」と頷くと、ニッコリ笑い返す。
「オーケィ、ちょっと待っててね…」
エプロンを外して出てきたアニカは気後れしているペッシの半歩前をカツカツと歩き出し、バールでコーヒーを一杯。
ペッシがドキドキする間もなく勝手におしゃべりを始めて、コーヒーが無くなると同時に花屋へ戻っていった。
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