ステレオ コミック
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌朝。
ノイズの混じるテレビ裏をいじっていると、メローネがやって来た。
「おはようナナシ。……あぁ、喋れないんだよな、忘れてた」
肩に手をかけたメローネに体を起こされ、
軽く頬にキスをされる。
「頑張ってね。盗聴器を仕掛けているから、喋ったら解るよ」
キスをされた側の頬を押さえ、声を出せないので頷く。
意外にも優しく柔らかな感触が、ふんわりと残った。
メローネがパソコンデスクの前に座った時、リーダーが自室から出てくる。
コーヒーを用意しようと思い、キッチンに入ろうとした所で腕を掴まれ、
額に、キスをされた。
ヒュッと吸いこんだ息で声を上げそうになったが、リーダーはそのまま背を向けてしまったので何とかなった。
熱い。
顔を覆ってキッチンに逃げ込み、コーヒー豆に手を伸ばす。
ジャスミンティーを入れていたイルーゾォに気付かれなければいいんだけど。
その、イルーゾォが肩を掴んで
長いキスを、された。
まだ冷めない熱が更に加熱され、パニックになる。
背中を冷蔵庫につけ、そのままズルリと力が抜けた。
しばらく、立てなかった。
「ナナシ、オレンジジュースあるか?」
キッチンにソルベが顔を覗かせる。こんな私を不振にも思わないのか、腕を持って立たせてくれた。
冷蔵庫からオレンジジュースを出すソルベに、グラスを2つ取ってやると、
担がれた。
そして、ソファのジェラートの所へ連行されると
両サイドからこめかみに、キスをされた。
『私何かした?ていうか、みんなどうかした??』
声を出すことが叶わないので、口をパクパクさせる。
そんな私を気にせず、2人は両サイドからハムハムとこめかみや耳にキスをし続ける。
ジェラートの歯が外耳に触れて、うっかり声を上げそうになる。が、メローネの視線に気付いて、ぐっと飲み込んだ。
このままではマズい。と、2人の腕から逃げ出す。
ソファではソルベとジェラートがクスクスと笑ってキスをしていた。
ヨロヨロと自室に向かいながら、もう今日は部屋から一歩も出なければいいと思い始める。
ちょうどアジトに入ってきたプロシュートとペッシには気付いたが、もうそちらを見るのも怖かった。
というのに。
ペッシが手をとって
恥ずかしそうに、手の甲にキスをした。
くるりと向こうを向いて足早に去るペッシを、呆けたまま見送っていると、
プロシュートが
キスをして、舌を、絡める。
条件反射で出そうになった声を呼吸で誤魔化して、体を離す。
見上げながら、自分の唇が震えているのが解った。
「悪いが今日は無理だ」
頬にもう一度キスをくれて、プロシュートはリビングへと入っていく。
……今日はもう、アジトにいるのは止そう。きっと、メローネが何かしら手を回しているに違いないのだ。
ようは、喋りさえしなければいい。外に出よう。
手話なんか出来ないけど、ジェスチャーでピッツァやコーヒーの注文くらいできる。
あとは気に入りの古書店で、じっくり時間を潰しさえすればいい。
部屋から財布だけを掴んで、外へと飛び出した。
.