『君の言葉』
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ちょっとした用事から帰ってきてみれば、アジトは散々なものであった。
ほんの二~三時間の間に充満した酒の臭いと、出来上がった男達のやかましい声。
「兄貴が出て行った後で飲み比べ始めちゃって」
自分の手におえないと言わんばかりにペッシが走り寄る。
俺が出た後でナナシはツマミを買いに行かされたらしい。
「オレはなァ、ナナシに抱きつかれたことがある」
「ギアッチョはおぶって帰ってきただけじゃん。オレなんてフツーに尻触ってるし」
「セクハラやめろメローネ」
「しかもなぁ、ナナシに『あつい、ギアッチョ、もうダメぇ』って言われンぜ?」
「うぜェよクーラー。俺なんかよく『イル、早く入れてぇ』とか、入れたら入れたで『もう出してぇ!』ってねだられる」
「オメーこそ鏡の中の話だろうがクソッ」
「ナナシはいっつも『メローネ、ベイビィができちゃうぅ』てオレに言ってるよ?」
「だからオメーはナナシにセクハラしてんじゃねー!」
「オレは『ホルマジオ、こんなのおっきすぎて入らないよぉ』って言われてるけどな」
「「万年荷物持ちが」」
「うるせぇェェェ!!」
ナナシがいないのを良いことに、泥酔した男共の話の内容は微妙なY談になっていった。
不毛だ。実に不毛だ。
「お前らまだまだだな」
沈黙していた リゾットがおもむろに口を開いた。
こいつも顔に出ないだけでかなり酔っている。
「あんだよ、リーダーはなんかあんのかよ」
しゃっくりをはさみながらホルマジオが突っかかる。
「俺は『リーダー、足りないの、もっと欲しい…』って言われるが」
「「「あげてやれよ給料!!」」」
声がきれいに重なった。
ちょうどその時アジトのドアが開き、ナナシが荷物を抱えて帰ってきた。
「シー」と唇に指をあててから袋を受け取ると、ペッシのすがるような視線を無視してすべて渡す。
「この先は今環境が最悪だから外でチェーナだ」
俺はナナシの腰を抱き、さりげなく出て行くことにした。
あんなみっともない酔漢になり果てたメンバーをむざむざ見せつけることもない。
「これから予定は?」
「特には」
それは好都合。
さっきのセリフ全部言わせてみたくなったからな。
20081030