ベニアミーナと朝
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ホルマジオの作るスパゲッティは、シンプルなアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ。
オリーブオイルとにんにくと唐辛子だけ、その唐辛子を入れすぎるんだから困りものだ。
ホルマジオが作るアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノは、ベーコンもウインナーソーセージも玉葱も入っていないのに、ときどき肉の味がした。
生臭い味のするスパゲッティは、ぼんやりしながら茹でたのだから、いつもより柔らかくて、べしゃべしゃ。
パスタを茹でる湯気の匂いが部屋に充満しているのに、換気扇のひもをひっぱることも忘れている。
でも嫌いじゃあない。
柔らかいスパゲティも、すこうしぼんやりのホルマジオも。
もうじゅうぶん、たっぷり寝たけれど、まだ目を覚ましたくない、いい気分。
だから、モタモタと料理するホルマジオを、ベッドの中からぼんやり薄目で眺めるのだ。
「もう昼だぜ、シエスタの間じゅう寝てるつもりかよ」
夜行性なのよ、アタシ。
だから真夜中、起きて帰りを待ってるでしょ?
顔を隠しもしないであくびしたアタシを、ホルマジオは問答無用でベッドから引っ張り出した。
ほらまた、茹でる量を間違えて、一番大きなお皿にも盛りきれなくなってるじゃない。
アンタの手が乾燥パスタを一つかみしたら、たっぷり3人前くらいになるんだってば。
ほんとに少ししか食べられないアタシにも、ホルマジオはいつもより沢山のスパゲッティをよそった。
アタシは、ホルマジオが作ってくれた久しぶりの食事を、次はいつ作ってもらえるか解らない食事を、お腹いっぱいに食べた。
ニンニクも唐辛子も入っていないアタシ専用のスパゲッティは、バターが絡めてあって、生のお肉みたいな臭いが、少しだけする。
ニャアー。
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