『アイビィ』
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部屋から出てきたリーダーがネジを手に取る。
「何ですか?」
「古い時計のリューズだ。同じ型はもう作っていないから無くすと厄介だ」
古い、というよりヴィンテージなんだろう。
リーダーが玄関先で上着を脱いだ時に引っ掛けて、置いてあったホルマジオのブーツに転がり込んだのかもしれない。
「リーダー、ジャケットに何か引っかかってますよ?」
内ポケットのあたりにかろうじてくっついている、キラリと光る何か。
「?……タイピンだが、俺のじゃあないな」
細いプラチナにあしらわれたピジョンブラッド。
リーダーの肌色と瞳の色となんだかよく似ていると思ったんだけど。
「それにしてもキレイですね」
つまみ上げて角度を変えるたびに血の色のルビーがパチパチと光をはじいた。
「悪いがこれから出なくちゃあならないんだ。それは置いていくぞ」
「いってらっしゃぃ」
今日は何だかみんな慌ただしいな。
だいたいアジトに何しに来てるんだろう。すぐ出て行くし。
「お前が持っていたのか」
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