『3104丁目、クイズ』
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「す、」
「ス?」
「スイカだろ、荷台から転がったんだ。イチゴとブドウはケースに入ってて、リンゴが木箱に入ってっから転がりようが無ェ」
ギアッチョが答えたところでペッシが吹き出し、やっぱり解らなかったと嬉しそうに笑った。
「よく聞いてろよギアッチョ。オレぁわざわざペッシと違う果物あげたんだぜ?」
「落としたのは『スピード』だよ」
合点がいかないわけでもないので余計に悔しい。
ギアッチョは「クソ!クソ!クソ!!」と吐きながら、畳の上で足をジタジタ蹴った。
自分の分だけ麦茶を用意してきたイルーゾォが、また畳にべったりと座る。
細い足をあぐらに組んで、麦茶を半分ほど飲み干した。
「じゃあ今度は俺から問題だ。
女がミルクを盗んだ。窃盗は許される行為じゃあない。
だが、腹を空かした子供がいて、女にはミルクを買う金がなかった。
店員はミルクを盗んだ女を殴った。
……さぁ、誰が一番悪い?」
ペッシの頬には、さっきまで笑っていた痕跡のしわが少し残っていた。
しかし唇は引きつり、見開いた目はまっすぐイルーゾォを見つめた。
「……誰が一番悪い?」