『3104丁目・VS』
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───ピィイン、ポォウゥ……ン。
もう壊れてしまっているのか、前と同じチャイムの音が長屋に響く。
…
………
……………
今日は留守かな?そう思うほど間があって、ようやくキシキシと足音が聞こえてきた。
僕は、気を引き締めた。
「はぁい、ごめんねぇ」
明るい男の声と同時に、ガラガラッと引き戸が開いた。
「ぅわぁあ!?」
目の前には見てはならないものがいた。
女性用の下着のようなボンテージで体を締め上げた、金髪の男。
生きた、ナマの、猥褻物。
顎をくいーっと上げた(失礼かも知れないが)変態さんは、ジロジロと僕を見る。
―――ぞくぅっ!
これが『生理的嫌悪感』というものか。
いけない。このままでは、なにも伝わらない。
僕は意を決して話し出した。
「『皆が幸福に暮らせる新しい世界』を」
「ナニ、しゅーきょー?」
変態さんは、片側だけが長い髪が口に何本か入っているのを、二の腕まで覆う長い手袋の指で掻き出してペッペッとする。
「みんなが幸福になれる、ねぇ。ふぅん。へぇ。」
よかった。興味を持ってくれているようだ。
「はい!そうです!僕の師、エン……」
「その人の名前は今はどうでもいいよ。で、オレも、幸せにしてくれるの?」
「勿論です!皆が必ずや幸福に」
変態さんは、ニコニコと笑ってぱっと僕の手を取った。
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