『日本支部・ゲス』
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『やべぇ、気付かれてる!』
『ででででた方が良いいいいいかな』
ホルマジオと##NAME1##は身をかがめたが、未だ視線を感じる。
『例によって、だな』
『せーの、で立つわよ?…せーのッ』
数々の悪巧みで培ったお互いの呼吸を合図で合わせ、二人は意を決して立ち上がった。
そのまま買い物袋を抱えてレジまでダッシュ……
……しようとしたにも関わらず、すでにゲス席から二人が消えている。
「あ、れ?いない?」
「っかぁ~!恐れ入ったぜ、あのゲスっぷり」
なんだかどっと疲れてしまった二人は、もう一度座り込んだ。
「ほんと、あれはゲスだわ……」
「あー、聞きしに勝るゲスだったな……」
手付かずだったケーキを頬張り、すっかり冷めたドリンクを流し込む。
さて今度こそ帰ろうかと席を立つと、先ほどのウエイトレスがやはり疲れきった顔でレジの前に立った。
「ケーキのドリンクバーセット二つ、チャーシュー麺チャーシュー脂抜きとチョコレートパフェクリーム多めコーンフレーク抜き、お子様ランチで三千六百七十五円になります」
「ちょっ!ケーキとドリンクバーだけだけど?」
「いえ、ケーキのドリンクバーセット二つ、チャーシュー麺チャーシュー脂抜きとチョコレートパフェクリーム多めコーンフレーク抜き、お子様ランチで三千六百七十五円になります」
面食らう二人に、ウエイトレスは冷ややかな視線を向けていた。
さっきまでゲス共を見ていたのと同じ目で、非情に言い放つ。
「「こンのゲス野郎どもォオ!!」」
会計を押し付けられ、完全に同類と見なされたホルマジオと##NAME1##の叫びは、もちろんゲス二人には届かない。
「きれいな皿の真ん中あたりに汚れた取り皿返してたけど、誰か気付くのかな」
「さぁな」
前髪の長い高校生が、もうひとりに言った。
言いながら、目はパフェグラスに残された真っ赤なチェリーに釘付けになっている。
褐色肌の外国人男性が、クスクス笑いながら追加注文のために呼び出しボタンを押した。
20090305