『日本支部・ゲス』
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ファミリーレストランのウィンドウに張り付き、蝋細工のメニューに涎を垂らすラバーコスチュームの男を、通りがかった人たちが嫌な顔をして避けていく。
通り過ぎて、振り返って、ヒソヒソ。
「ホルマジオ、あれってさー」
「組のゲスコンビじゃあねーか?あーあー、通行人ドン引きだぜ…しょおがねぇな」
「ゲス?」
「ナニお前、知らねぇの?」
───情熱暴カ団のゲスコンビ、チョコラータとセッコ。
彼らにまつわる黒い噂は絶えることがない。
人のゲームのあらゆるメモリーを消去する。
ドラクエの復活の呪文をメモった文字列を書き換える。
そこらじゅうのレンタル屋でスラムダンクの『バスケが、したいです』の巻を借り続けている。
スマホを借り、際にアプリボタンをさり気なく長押ししてデータごと消去する。
本当はやっていない夏休みの宿題を「やったけど家に忘れました」と言った……など。
上げ始めたらキリがない。
「ちょうどいいから、茶でも飲みながら見てみるか?」
ヤマザキの食パン(白いお皿は今年もゲットだぜ☆)をガッサと抱え直し、ホルマジオは顎でファミレスの入り口をくいと示した。
動物のように四つん這いで自動ドアをくぐるセッコと、その後をついて行くチョコラータ。
ナナシとホルマジオが追いかけると、店の中から「ひぃ!」とウエイトレスの悲鳴が聞こえた。
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