『日本支部、新年会』
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何も所持していないイルーゾォが、スクアーロとティッツァーノから『念入りな念入りな』ボディチェックをされている。
され続けている。
延々とまさぐられている。
イルーゾォの口から、見たこともない煙のような、スタンド……?が出ている、気がする。
ほとんど本能で恐怖映像から目をそらし、リゾットとプロシュートは静かで薄暗いボックス席で日本酒を傾けていた。
隣には見たこともない女をしっかりつけている。
「おにーさんさァ、洋酒とかの方がゼッタイ似合いそー!」
やたら頭頂部の髪を盛り上げ、痛んだ髪を巻いた女がシナを作ってプロシュートに言った。
「解ってないな」
答えたのはリゾットだった。
「えー?ワインとかシャンパンてチョー美味しいじゃん」
ヘチャムクレた顔を何とかしようとする心意気は解るが、付け睫も厚化粧もかえって気味が悪い女が高い声を上げる。
「ブドウの出来がいいとか悪いとかで味が左右されるような酒なんか飲むかよ。日本酒は米の出来不出来で味が変わっただとか、今年の出来はどうだとか言わねェ」
リゾットは頷きながら、隣に座ったヘチャムクレを席から立たせた。
「杜氏は先代が守ってきた味と看板背負ってやってんだ。どんな米でも気象状況でも同じ酒を作り上げる。世界最高の酒造技術だぜ」
「流行りだ雰囲気だに流されて、薄っぺらい酒は飲む気になれないな」
プロシュートも頭盛りすぎの女を立たせる。
大したことのない女達がむくれ、余計不細工な顔になって去った。
カウンターにいたソルベとジェラートが笑いながら見送り、入れ替わりに二人の隣へと腰を据える。
「もぉー、小娘チャンに説教たれちゃって、ジジむさいわねッ!もう少し空気を大事にすればモテるのに」
そうは言いながらも、ソルベは上品な仕草でプロシュートの杯に酒をつぐ。
「ほぉんと、ぶきっちょさんなんだから。ま、それでこそアンタたちなんだけど」
ジェラートがリゾットの肩にコツンと頭を持たせた。それを押し返すでもなく、リゾットは檜の升から香り良い酒を口に運ぶ。
「そこのロマネ開けちまうか?飾っといたってしょうがねェだろ」
「ンまッ!プロシュートったら!!ほぉんと、可愛くないンだから」
ソルベは振袖の肘で嬉しそうにプロシュートを小突き、インテリアと化していたバカ高い洋酒の瓶に手を伸ばした。
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