『日本支部、新年会』
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───本日の会場、組管轄のダイニングバー。
イタリアのバールをモチーフに作られ、少々値は張るが凝った旨い料理を出す幹部連御用達の店。
御用達とは言ってみるが、それはただ『上』からの息がかかっている、ということ。否が応でも組員はここを使わざるを得ない。
そんな店の前に、似合いもしない紋付き袴のリゾット、プロシュート、イルーゾォ、ホルマジオ。
着物の
ナナシと……メローネ、ソルベとジェラートは立っていた。
「悪趣味だな。何でカウンターバーで着物なんだよ」
「だからバニーだとか書いてあったんじゃあないか?固まってないで行くぞ」
リゾットはさっさと
ナナシの腕を引いてエスコートし、悪態をついたプロシュートがメローネに腕を絡められて不服そうに続く。
いつにも増して濃いソルベとジェラートを両脇につけるホルマジオと、離れて様子を伺うイルーゾォ。
「イルちゃんもお振袖のが素敵なのにィ、ねぇソルベ?」
「ほォんと、折角用意したのにィ」
真っ赤な唇を尖らせるジェラートに、イルーゾォは黒髪を散らしてブンブンと頭を振った。
「可哀想なこと言うな。イルーゾォは忘年会で気ィ失うほどだったんだぜ」
お太鼓に結ばれた二人の帯をパンパンと叩き、ホルマジオはソルベとジェラートを先へと促す。
イルーゾォの背中にゾワリと走った悪寒は、寒風のせいでもインフルエンザウィルスのせいでもない。
「お待ちしていました」
『側近直々に出迎えたぁ、ヤキが回ってんな』
オカマ二人に連行されるような形で入ったホルマジオは、薄暗い店内に作為的なものを感じずにはいられない。
ティッツァーノが手を伸ばし、
ナナシの帯の間から白木の九寸五分(※短ドス)を抜き取った。
「お帰りの際に返却しますよ」
ニコニコしながら、傍らの箱の中……ナイフだのスミス&ウェッソンのリヴォルヴァーだのスコップだのが入れられているそこへ、ぽいと放る。
『誰だ、手榴弾なんか持ってきた奴ぁよォ』
「あん!スクアーロ、そこは駄目だって!」
「アン、じゃあねえ!テメェは持ち込みすぎなんだよ!」
妙な声にふと見上げれば、とっくに入ったと思っていたメローネがスクアーロからまだボディチェックを受けていた。
出るわ出るわ、スタンダードなバタフライナイフから大型のコンバットナイフ、愛用の小さなシグ・モスキート、もっともっと小さな、アサッシーノ御用達のライター型の小銃、スタンガン、どうやって入れていたのか釘バット、果ては刃のついたヨーヨーにカミソリ鶴。
「これじゃあオレ、まる裸だよ!……ふふ、まる、ハ・ダ・カ」
「喜ぶな!」
イルーゾォにスッパァンと後頭部を叩かれ、それでもメローネはとっても嬉しそうだった。
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