『3104丁目、新年』
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「喰らえメタリカァア!」
「どブふゴァアァア!」
ドバドバとカミソリを吐き出しながらDIOは喉を抑えて仰け反った。
気を利かせたジョルノがすかさずDIOの体を後ろに引く。
「全く、迷惑な人ですね。血、かかりませんでした?」
「大丈夫だったみたいだ」
「ありがとジョルノ」
和やかに笑い合う三人の脇で、DIOとリゾットが一触即発の睨み合いになっている。
「誰だ貴様」
「お前こそウチのに白いナニを出させていたんだ」
地鳴りさえ聞こえてきそうなオーラをぶつけ合う2人を横目に見ながら、おでんとフランクフルトを買ってきたイルーゾォがベンチに腰掛ける。
「ジョルノ、お前も食うか?」
「わぁ、ありがとうございます」
餌付けされる息子に気付いたDIOがすかさず振り返る。
「ジョ───ルノ───!知らない人から食べ物をもらっちゃいけませんとパードレはあれほど「知り合いです」
ジョルノは差し出されたおでんを受け取り、ウンザリしながらも味のしみたコンニャクをDIOへと差し出した。
「はい。あなたも本当は仲間に入りたいんでしょう?」
「フ、フン!」
ジョルノは、素直になれない父親の本性をよく知っている。
DIOは少しためらいを見せたが、息子に何か食べさせてもらうチャンスなど滅多にないことだと思いアーンと口を開ける。
犬歯のさらに一つ奥、長く鋭い牙が輝いた。
それを見たナナシの目もキラキラと輝く。
「素敵ー、ヴァンパイア・レスタトみたーい」
「アレの最中に引っかかりそ。ま、それはそれで良さそうだけど」
「ナナシ!メローネ!」
見とれるナナシと妙な妄想を始めるメローネをイルーゾォがメっ!とたしなめた。
ニーッコリ、笑ってみせるジョルノの目に残酷な色がよぎる。
「ぁッチィ───!」
「ハァ、あんたはお約束芸人のダチュウ倶楽部ですか?すぐ古典に引っかかる」
冷めてきた卵に辛子をチョイとつけてかぶりつきながら、涙目で口を抑えしゃがみ込むDIOをジョルノが見下ろしていた。
養豚場の豚を見下ろすような、彼なりに愛情の籠もった眼差しで。
「外ではやめないか」
フランクフルトから落ちそうになったケチャップを舌でつうーっと舐めるナナシと、おでんの竹輪の穴にグリグリと舌を入れて遊んでいたメローネの頭にリゾットが手を置き、髪型を崩さないように優しく撫でた。
「オイ、それ外ではやめないか?」
「いいだろ?好物なんだ」
飴でコーティングされたいちごやぶどう、もちろん昔からのりんご飴が並ぶ露店の前。
思う存分さくらんぼ飴を舌の上でレロレロする花京院を、帽子の隙間から承太郎が見ていた。
「「「やれやれ…」」」
足元からシンシンと冷えてくる日本の端っこの神社の境内、保護者三人はため息のつきぞめ、といったところ。
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