『3104丁目、新年』
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「メローネ、口に付いてる」
「んぁ、舐めて?」
「ン、美味しいけど口紅とれちゃうね」
「そっちも舐めさせて」
境内にズラリと並ぶ露店から少し離れたベンチで、メローネとナナシは一つのりんご飴に顔を近づけ両サイドからアムアムとやっている。
淡い色の紅をつけられた唇は溶けた飴の赤に染まり、同じように赤く染まった舌先同士が今にも触れ合いそうに表面を舐めた。
「やぁ、君達」
「「ン?」」
ナナシとメローネが顔を上げれば、目の前には綺麗なブロンドの、ド派手な黄色い服の男。
ライトグリーンのハートのアクセサリーに……独特、の、センスを感じる。
「……ん?何処かで会ったこと「話の持って行き方が百年前に使い古されていますよ、パードレ」
割り込んだ声の方を見れば、最近組に入って何かと注目を集める期待の新鋭……いや、問題児『ジョルノ・ジョバァーナ』。どうやら男はジョルノの父親らしいことが解ったが、いくら何でも若すぎやしないか。
そんな事を考えながら、メローネは飴から口を離さず声をかけた。
「ゃあ、ひょるの」
「ほう、君は男か?面白い。どうだ?二人揃ってこのD「そういう性急で自己中な所が人に嫌悪感を与えるんですよ」
意にも介さず大きな赤い玉をレロレロする二人の前にジョルノが仁王立ちになる。
「あなた達もあなた達です。こんな公衆の面前でダブルフェラみたいな真似していたら新年早々みんな"青春の前屈み"になっちゃうでしょう?」
こう、ウッと!と、内股に手を入れて前屈みになってみせるジョルノを二人がキョトンとして見る。
「あム、そういうモノ?」
「口に入ってる飴を奪い取ったりは日常茶飯事だから、もう麻痺しちゃうな」
あぁ、これは不健全なことなのか、と口の周りに赤い蜜の滴る2人は顔を見合わせた。
大人びた顔で二人を見下ろすジョルノの後ろからジョルノの父親が身を乗り出す。
「なんだ、甘い物が好きなのか?甘酒(的なもの)ならばいくらで「股間のスティッキー・フィンガーしないでください」
「さっきから何なのだジョルノ!このDIOが二人と逢い引き「お持ち帰りです」ができれば、お前に弟か妹が出来るのだぞ?」
ナナシの指に垂れたベタベタする汁をメローネが口に入れてすすりながら、うるさい親子のやり取りを興味なさげに眺める。
指はメローネの口に突っ込まれたまま、ナナシは飴の下に出てきたりんごをカジカジとしていた。
「拒否します。ナナシは僕の嫁になるんです」
「キミの自己中はしっかりパパの血を引いているよ」
チュパ、と指を口から出したメローネがナナシを見ると、大きく剥がれてしまった飴をカリカリと噛んでいた。
「その娘はナナシというのか。義母では駄目か?」
「義母」
父親DIOの言葉にジョルノはピクリと眉を上げる。腕を組んで目をついと細め、しばらく何かを考えた。
「それはそれで、うん、良いかもしれませんね」
「それ何てエロゲ?」
チロチロとまた飴を舐めたメローネは、まだ若いジョルノに垣間見た性癖に、余計なお世話だが先が思いやられた。
「ということで息子の了承は得られた」
丁度りんごにカリリと歯をたてたナナシの前に立ち、DIOは着物の肩に手をかけた。
「ではいくぞ」
「ッア、白いの出た」
ようやく本体にたどり着いたらしく、満足げな顔をDIOに向けた。
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