エルフオンザシェルフ
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女の子の家からはずいぶん離れている、とあるギャングのアジト。狭いキッチンにパスタを茹でる湯気が立ち上っている。プロシュートはささやかながらフェスタと洒落込もうかとヴィンテージのワインを開ける。グラスを人数分。いや、まずはお先に自分だけ、とキッチンに入って、思わず眉根を寄せた。『辛すぎるペペロンチーノ』の代名詞、が、パスタを茹でている。
フェスタの食卓を飾ったペペロンチーノは、プロシュートの、いや、そこに集まった全員の諦めを裏切るかのごとき出来だった。まさに上出来。ブラヴォー、ブラヴォー。香ばしい香りのあがるニンニクには焦げた苦味がなく『辛いのがお好きなら親指の爪ふたつぶんまで!』の分量を厳守されたトウガラシ、乳化したオイルがツヤツヤと光るパスタは、口の中でプリプリと良い食感。テーブルを囲んだメンバーは口々に『クリスマスの奇跡だ!』とわめいた。わめき、信じようとせず、ホルマジオの額に手を当てて熱をはかり、手相を見、本当にホルマジオなのかどうか顔の皮を引っ張って変装を暴こうとまでした。
「心外だ、全くの心外だ。きちんとしたレシピのもとに完成したオレのペペロンチーノの、何が不満だ!」
と、ギアッチョにつねり上げられた頬をさすり、反対の手でギアッチョの頬をひねり上げながらホルマジオは叫んだ。
当然、レシピの出どころを根掘り葉掘り聞かれることになる。『ようせい』の名誉のために最後まで口を割らなかったホルマジオを、さすがと褒めてやってはくれないだろうか。
thee end
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