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「アンタはいいんだよ、必要無いもんな」
座面を足で跨ぐように座ったペッシは、背もたれに顎を乗せて口を尖らせた。
眼鏡をずらしてバレルの歪みを睨みつけ、角度を変えてヤスリがけするギアッチョの体を、そうと悟られないように観察する。
銃火器を扱う指は、火薬や金属を調整する繊細な作業に反して太く強い。
反動の大きいグリズリーやデザートイーグルを事も無げにブッ放す下腕は筋張って太く、硬い筋肉に覆われている。
今はゆるいシャツに覆われている背中もだ。
Tシャツを脱いで川に入っていた時に見たそれは、リゾットまでとは言わないが、厚い鉄の一枚板でできているかのように鍛えられていた。
ジロジロと見られていることに気がついて、ギアッチョは手を止める。
「ペッシよォ、ダイエットの相談なら女にしろ。いるじゃあねーか、「一センチでもウエストのサイズ増やしてみろ!」とか何とか、オメーの兄貴にドヤされているのがよ」
ペッシのことなど本気で考える気のないギアッチョは、ハイカロリーの甘ったるい炭酸に喉を鳴らした。
数字の7がロゴプリントされたシルバーグリンのアルミ缶に、冷たそうな水滴がびっしりとついている。
それがギアッチョの指のところで大きな粒に手をつなぎ、斜めに滑り降りて頬に雨だれを落とした。
「バストアップ体操をやれとでも?」
ブ!と逆流した炭酸が勢い余って鼻へと流れ込み、ギアッチョは咽(むせ)込んだ。
水っぽい鼻水を垂らしてゴボゴボと咳(せ)き、腕で口を塞ぐ。
見事なバストアップを果たすペッシ。
利用価値皆無の残念な美巨乳。
要らん。
「ゴホ、ならイルーゾォかメローネにでも聞きな。あのガリガリと同じモン喰ってりゃあ痩せンだろ」
「見つからないから困ってンだよォ」
「ああもうウルセェなクソ!だったら―――
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