magic
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イルーゾォは椅子の回りを二周回る間に、時々ナナシの肩や椅子に触れる。
表情を伺うように覗き込まれてナナシがはにかむ様子を、面白くなさそうにギアッチョとホルマジオが見守る。
「さぁ!」
ぱちん!
「キャァ!」
軽い音をたてて指が鳴った瞬間、ナナシはビクンと体を跳ねさせ、椅子から立ち上がった。
「案外痛いわ」
「それは失礼」
眉根をよせて迷惑そうに笑いながらも椅子にかけ直すナナシの尻が、薄いクッション面に触れるかどうかというところで、ぱちん!
「ひゃう!」
またしてもナナシは弾かれたように立ち上がった。
何が起こるかと少しは期待していたペッシはもちろん、馬鹿にして見ていたギアッチョもホルマジオも、あまりの驚きに目を見開いて言葉を失った。
「ご協力ありがとう、お嬢さん。これ以上痛い思いはさせないから、どうぞお席にお戻りください」
ナナシは微笑みながら静かな拍手をし、ソファへかけ直す。
それを見届けたイルーゾォが、手を前に出して。
ぱちん!
「きゃ!……ッもう!!」
魔法にかかっていないはずのソファで、ナナシが悲鳴を上げた。
三人はぎょっとしてソファを見やる。
振り向くと、暗い表情が常のイルーゾォが満面に喜色を湛えていた。
「さぁ、次は?」
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