magic
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「……ありのまま、今、起こったことを話しやす が、イルーゾォが確かにコインを握っていたと思ったら、いつのまにか消えていた」
「回りくどいんだよオメェは!」
ペッシに向かってクソ、と吐きかけながらギアッチョが振り上げたカップから、コーヒーの最後の雫が垂れ落ちた。
本気で殴ろうとしているモーションではないと解ってはいたが、ペッシはさっとカップを避けたおかげでコーヒーのシミの被害は免れた。
一挙手一投足を真剣に見ていればいるほど、人は騙される。
右手が怪しいと思って見ている間に、左手が仕掛ける。
そのトリックに騙されまいと、奇術師の両手を追っていた者は次にこういうのだ。
『ちゃんと両手を見ていたのに騙された』と。
「なんなら、芸でも出し合うか?」
「クソクッダラネェ。芸なんかあるかよ」
にやりと笑ったホルマジオの提案を、不機嫌なギアッチョの声がさっさと却下した。
しかし、「まぁまぁ」と取り成すナナシの方を見て、各々が何やら考えだす。
「イルーゾォはコイン以外になにか出来る?」
「勿論」
「ペッシは?」
「考えてみやす」
「なら、決まりね。出来る人から挙手でどうぞ」
揉めそうな場は、ナナシの鮮やかな司会進行で一芸を披露していく会へと誘われた。
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