オーフリー
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メローネはナナシの服をはだけ、どうにか快感を引き出してやろうと巧みな手管で愛撫を始めた。
ホルマジオのナイフが裂いたブラウスを開けて、手が侵入してくる。くすぐったさを感じる首や鎖骨を唇が辿り、唾液に湿った温かな舌が柔く吸った。
命の危険を伴う場で、身の毛もよだつ汚いオヤジにも従順にしてみせる残酷な任務は、ナナシの中に悲しいサガを植え付けている。仕込まれ尽くしたナナシの身体は素直に反応を示した。ずっと詰めていた息が、熱っぽい喘ぎとなって漏れる。
一度堰を切って出た声はこれ以上、留めることができない。
リゾットの視線を感じる。意味を成さないオブジェクトをただ眺める、そんな温度のない視線だった。ナナシの腕がリゾットへ向けて伸びる。助けを求めても無駄なことは解りきっていたが、ナナシの手はリゾットの視界を遮るように空を掴み、ベッドの上へと落ちた。
「もっと大きな声で鳴けよ」
足の間に感じた痛みがくぐもった悲鳴になって口から出た瞬間、メローネは耳元で囁いた。
「野良犬をサイコロに作り変えてポケットに入れてきてる」
肉の合わせ目をガリガリとこじ開けるように痛みを与え、さらにナナシから声を引き出したメローネが早口に続ける。
「こいつをバラバラにして血をぶちまけて、今度はお前をサイコロにして連れ出す。信用しろよ、必ず助ける」
ナナシは視線を動かさずに聞いた。引っ掻かれた粘膜がまだ痛かった。
リボルヴァーのシリンダーは、残弾数ゼロ。
メローネが信用できる男になった錯覚に陥る。誘惑はどこまでも蠱惑的で、愛撫の手は甘い。
快楽の泥沼へ陥れんとする男の背に回されるべきナナシの手は、尻の後ろにある枕に爪をたてていた。
ジッパーを開く微かな音を耳元で喘ぐ声で誤魔化し、袋状の中へ銃を滑りこませる。
端を鷲掴み、真横へと、メローネのこめかみめがけて力のかぎり振り抜いた。
鈍い殴打の音。メローネの身体が傾ぐ。
「……信用するとでも?」
真夜中の三日月ほど静かで、そして絶対的な声だった。
強烈な一撃を喰らったメローネが、額を抑えながらユラリと身体を起こす。
「いいや?万が一にも信じたら面白いかなって」
指の間からドボドボと鮮血が垂れ始める。目の中にも入ったのか、メローネはウインクするように目蓋をギュウと瞑った。
カシン。ジッポーライターの蓋が閉まる。
扉が開き、メローネが出て行く。
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