オーフリー
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
足が動かない。感覚はあった。痛みはない。
両足をひどく傷めつけられたのでも、神経を切られたのでもないことに安堵した。ナナシは片足ずつ引き抜こうと試みる。
脛から下を覆い隠すのは、スプリングが錆びて軋む仮眠室のベッドの上が定位置の、薄い茶色のブランケット一枚。それ以外は何もないのだが、強力な力で押さえつけられているかのように、どちらの足も動かない。
「リーダー、どういうことですか。拘束される理由が解りません」
いっそう暗い影の落ちるリゾットの顔を睨む。
聞こえなかったはずはないだろうが、彼はナナシの欲する答えはおろか、返事の一つも寄越さなかった。
リゾットは己の手の中の黒いジッポーライターをくるくると弄ぶ。
「リーダー」
埒があかない。メンバー同士のいざこざにスタンドを用いるのは御法度との暗黙の了解があったが、ナナシはこれを宣戦布告と見なし、己のスタンドを発現さるべく身構える。
仮眠室と廊下を繋ぐ、ぶ厚い扉が開いた。
こちら側よりいくらか明るい光が、室内に新たな人型の影を描いて四角く入り込む。
「……ホルマジオ!リーダーが「黙りな」
救いを、いや説明を求めるナナシの呼びかけは、静かで強い語調に遮られた。
赤くさえ見える双眸が、ナナシを睨み据えた。奥歯を噛み締め、頬を緊張させるホルマジオの表情に、ナナシは悟る。
ホルマジオは、こいつは、『敵』だ。
.