サキュバス
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オレの下でナナシが喘ぐ。
白い体をシーツの隙間でうねらせて、ぷっくりしたくちびるでオレの名前をよんで、細い指でスルリと眼鏡を外された。
「見えなくなる、」
お前が、と言いかけたら、触れ合うほどの距離でそのくちびるが
「でも、近くなるから」
と言ったんだ。
口付けて、柔らかい胸を手の中に収めて、足を上げさせる。
ナナシの纏う甘い香りが腕の中で揺れる。
足と股関節をつなぐ筋をなんとなく触ったら、思いのほかナナシがイイ声で鳴いた。
「こんなトコが感じるのかよ、」
少し嬉しくなって、自分の足をそこに押し付けてやるとナナシは声を上げる。
「ギアぁ……、イジワルしないで」
我慢出来ないか?と聞けば、恥ずかしそうに頷いて目を閉じる。
「目ェ瞑んな、入れられて良くなる時の顔みせろ」
眼鏡なんか無くてもナナシだけはちゃんと見える。
不思議な感覚だった。
だから、ちゃんと……
「……っああぁぁぁあ!?!?」
全身の毛穴という毛穴が逆立ち、したたりそうなほどの汗をかいていた。
見慣れた仮眠室。染み付いたヤニの匂い。
「クソッ!」
なんて最高で最低な夢だ。
さっきまで触っていた柔らかい胸、しっとりした肌、くちびるの感触までもが生々しく残っている。
冷えてきた汗に不快感だけが増していた。
『出して』しまわなかったのが唯一の救いのよう気もしたが、それでも血液はソコに集中したまま。
手に残る感覚は勿体無いような気もしたが、何とかこの感覚を洗い流そうとノロノロと起き上がる。
仮眠室のシャワーを使おうと思えば、今まで夢で抱いていた彼女の文字で『使用禁止』
仕方なくメインのバスルームへ行こうと仮眠室を出たときだった。
「ギアッチョ、おはよう」
水を飲んでいたナナシが、キャミソールにルームパンツという出で立ちで声をかけてきた。
くちびるの端から一筋の水滴が滑り落ちる。
「 おぅ」
白いうなじを直視していると夢で見た光景を思い出してしまいそうで顔を背けた。
視線を落とした先には一週間前に持ってきたDVD。ナナシが観たいと言っていたのを、たまたま持っていたから。
「オイ、これ観たか?」
「え、観てないよ」
―――何だよクソっ!せっかく持ってきてやったのに。現実なんてこんなモンだよな。
こんな奴に何振り回されてんだよオレ。クソっ!!
あー、きっとあんな夢見たのも溜まってたからだ。たまたまだクソっ!クソっ!!
そんな事を考えていたら、持ち上げたDVDのケースがペキッと音を立てた。
「持ってきてなんて言ってないし」
「あ゛ぁ!?」
キレたオレにビビっているのか、ナナシが小声で言った。
「それ、ギアッチョと一緒に観ようと思……ったんだよね」
自分の中にこんな感情があったのかと思うほどの熱い何かに襲われる。
残念な事に『純粋なだけではない』その熱は下半身に直下して、オレは崩れるようにしゃがみこんだ。
「ギアッチョ?」
ナナシは不思議そうに声をかけてきたが、今は「何でも無ぇ」と吐き出すのが精一杯だった。
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