ファウスト
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○金曜日○
今日は午後1時に会う約束をしている。
シャワーを浴び、週はじめに買ったワンピースを着て、メイクしながら電話で告げられた住所のメモを見る。
昨晩行ったバールのあたりだろうが、確かあの辺りは路地が入り組んでいた。
着けるかどうか不安になったので早めにブランチを取った後ゆっくり探すことにした。
パネッテリアのカウンターでパニーニをかじっていると、長身の男に「空いているか?」と声をかけられた。
「生憎今日は忙しいの」
と返すと「席の事だ」と言われる。
慌てて周りを見回すといつの間にかほぼ満席。
真っ赤になって「どうぞ」というと、男は表情の読み取れない暗い瞳を伏せて席についた。
「待ち合わせか?」
声をかけられた事に驚いたが、折角なので道を聞こうと住所のメモを見せる。
途端、男は驚いたように目を見開きかすかに笑った。
「お前が新入りか。…リゾット・ネェロだ」
驚く私にリゾットは手を差し出した。
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