ファウスト
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服を購入してから下着が足りなかった事を思い出し、店に入った。
繊細なレースをあしらったものと、新作だというビビッドカラーのを何点か購入して店を出た途端、人にぶつかって派手に荷物をぶちまけた。
見ると、カーリーヘァにメガネの男性が色とりどりの下着をかぶって尻餅をついている。
顔を真っ赤にして悪態をつきながらも荷物を拾ってくれ、「悪かった」と言って足早に去っていった。
少し休憩しようとバールに入ると、隣の席に座った大柄な男がアイスクリームを膝に零して兄貴分であろう男性に怒鳴られていた。
ブランドもののスーツに身を包んだ兄貴分は今にも殴りつけかねない勢いで叱っている。
大きな男がシュンとしおれているのがなんだか可哀想になって、お節介かとは思ったがハンカチを差し出して口を拭いてやった。
大きな男はびっくりしたが、ハンカチを受け取って膝を拭きつつどもりながら礼を言った。
溶けたクリームが染みたハンカチを返そうとする男に「いいわ」と言うのと兄貴分が拳を振り下ろすのが同時だった。
パイナップルのような頭を抱える大きな男の前に立った兄貴分は「済まなかった」と言って自分のハンカチを差し出した。
ハンカチからは男性と同じ甘く苦いコロンが微かに香った。
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