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独り途


桜がひらりと舞い落ちるかの如く
刹那をとらえた此路(こころ)は独り途(みち)


行く先を見失い途方に暮れた朝(あした)を
振り払うかの様に鉄(くろがね)に力を込めた

嗚呼 哀しい哉
過ぎ行く季(とき)に吐息を吹き掛けて
雫石(しずく)に映る己の姿と描く未来の相違を
悉く見詰めるのみなのだから……

桜がひらりと舞い落ちるかの如く
刹那をとらえた此路(こころ)は独り途(みち)


二羽の鳥が囀ずる 翔び発ち宵(よる)が過ぎれば
月(ひかり)にて輝ける兎(あこがれ)の儚さを知る
嗚呼 侘しい哉
去り逝く音(こえ)に叫びを投げ掛けて
眼滴(なみだ)に流れる己の嘘(よわさ)とその過去との相違を
悉く競べるのみなのだから……

桜がひらりと舞い落ちる瞬間に
彼方をさがした此路(こころ)は独り途(みち)


揺れ動く路は此所に在る
華の鮮やかさを知ってしまった


桜がひらりと舞い落ちるかの如く
刹那をとらえた此路(こころ)は独り途(みち)

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