◇ハロウィン2019
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「trick or treat、ナナシ」
僕がそう言って手を差し出すと、そう言われることがわかっていたかのような涼しげな顔で「はい」と言って、丁寧にラッピングされた6枚のポフィンを手渡してきた。
「これ、ポケモン用のでしょ」
「じゃあ、こっち」
「ありがとう」
もう一度手を差し出すと、今度はたくさんのジャック・オ・ランタンを模した、クッキーの入った包みをくれた。ラッピングといい、クッキーひとつひとつの表情が違うことといい、丁寧に作ってくれたんだな、と思っていると、少しだけジト目でこちらを見てきた。
「年下にお菓子をせびらないでくださいよ」
「でもこうやって、僕の分も、僕のポケモンたち全員分のお菓子も作ってくれるんだから、ナナシって優しいよね」
褒めると目を瞑ってそっぽを向いてしまった。
「ただ単に、おかし作りが好きなだけです」
「でも、僕以外の人には市販のもの、渡してるんだよね」
僕と会う前にノボリに渡しているところを見たけど、こうやってラッピングされたものじゃなくて、デパートで買ったんだろうなっていう見た目の、小さい箱に入ったお菓子だった。ナナシのドリュウズがあちこちでポフィンを配っている姿を見たので、ポケモンたちの分はたくさん作ったんだろうけど、人間用の手作りお菓子は僕だけ。
「お金かかってる分、ある意味そっちの方が気持ち込もってるかもですね。ところで、わたしの分は?」
少し納得のいかなそうな顔で、トリックオアトリート、とナナシは言った。なので、持ってないよ、と答えると、なんで? と言いたげな顔をされた。
「イベントであんなに配ってるくせに」
今日は子ども用のイベントのために職員全員がお菓子を持ち歩いている。ナナシもそれを知っているので、持ってないと言う僕のことを眉をひそめながら見た。
「持ってないから、ナナシにイタズラされちゃおうかな?」
さて、ナナシは何をしてくるかな。そう思っていると、急にネクタイを引っ張られ、ふたりの顔が近くなった。かと思うとすぐに手を離し、その距離はまた遠くなった。
「何もしないのが、わたしからのイタズラです」
ツンとした態度でそっぽを向いた。そうやって、恥ずかしさをごまかすために強がった態度を取るところがかわいい。まあ、あのまま続けようとされたら僕の方からストップをかけるけど。
「お菓子、ちゃんと用意してあるよ」
「……イベントで配ってるものと違うやつ」
「ナナシにだけ、特別」
頭を軽くなでると、またそっぽを向いてしまった。
「子供扱いしないでください」
「子供扱いしてるわけじゃないよ」
ただ、もう少し大きくなったら、さっきのイタズラの続き、楽しみだな。
僕がそう言って手を差し出すと、そう言われることがわかっていたかのような涼しげな顔で「はい」と言って、丁寧にラッピングされた6枚のポフィンを手渡してきた。
「これ、ポケモン用のでしょ」
「じゃあ、こっち」
「ありがとう」
もう一度手を差し出すと、今度はたくさんのジャック・オ・ランタンを模した、クッキーの入った包みをくれた。ラッピングといい、クッキーひとつひとつの表情が違うことといい、丁寧に作ってくれたんだな、と思っていると、少しだけジト目でこちらを見てきた。
「年下にお菓子をせびらないでくださいよ」
「でもこうやって、僕の分も、僕のポケモンたち全員分のお菓子も作ってくれるんだから、ナナシって優しいよね」
褒めると目を瞑ってそっぽを向いてしまった。
「ただ単に、おかし作りが好きなだけです」
「でも、僕以外の人には市販のもの、渡してるんだよね」
僕と会う前にノボリに渡しているところを見たけど、こうやってラッピングされたものじゃなくて、デパートで買ったんだろうなっていう見た目の、小さい箱に入ったお菓子だった。ナナシのドリュウズがあちこちでポフィンを配っている姿を見たので、ポケモンたちの分はたくさん作ったんだろうけど、人間用の手作りお菓子は僕だけ。
「お金かかってる分、ある意味そっちの方が気持ち込もってるかもですね。ところで、わたしの分は?」
少し納得のいかなそうな顔で、トリックオアトリート、とナナシは言った。なので、持ってないよ、と答えると、なんで? と言いたげな顔をされた。
「イベントであんなに配ってるくせに」
今日は子ども用のイベントのために職員全員がお菓子を持ち歩いている。ナナシもそれを知っているので、持ってないと言う僕のことを眉をひそめながら見た。
「持ってないから、ナナシにイタズラされちゃおうかな?」
さて、ナナシは何をしてくるかな。そう思っていると、急にネクタイを引っ張られ、ふたりの顔が近くなった。かと思うとすぐに手を離し、その距離はまた遠くなった。
「何もしないのが、わたしからのイタズラです」
ツンとした態度でそっぽを向いた。そうやって、恥ずかしさをごまかすために強がった態度を取るところがかわいい。まあ、あのまま続けようとされたら僕の方からストップをかけるけど。
「お菓子、ちゃんと用意してあるよ」
「……イベントで配ってるものと違うやつ」
「ナナシにだけ、特別」
頭を軽くなでると、またそっぽを向いてしまった。
「子供扱いしないでください」
「子供扱いしてるわけじゃないよ」
ただ、もう少し大きくなったら、さっきのイタズラの続き、楽しみだな。