本編
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「クラウド、この間わたしとジャッキーが寝てるところのぞいてたでしょ。のぞきとか趣味悪ーい」
引くわー、というようなポーズを取りながらナナシが渋い顔をするので、別にそんなつもりで医務室に行ったわけやないと笑ってしまう。
「別にのぞきに行ったんやなくて、様子を見に行ったらお前らが一緒に寝てただけや。というかお前、わしが来たこと気づいてたんに狸寝入り決めてたんかいな」
そう言うとナナシはえへへ、と舌を出して笑った。
「だって、幽霊に睡眠なんていらないもん。でも、ジャッキーが安心して寝られるように寝た振りしてたんだ。ひとりじゃないって思うと安心しない? するよね?」
いい年した男と女が同じベッドにいたら、緊張して寝られん気もするが。気にしないんはこいつが幽霊だからなんか、頭が子どもだからなんか。
「お前、ジャッキーのこと好きやないんか」
単刀直入に聞くと、ナナシの顔がクルマユのような表情になった。何気にこの表情を見るのははじめてな気がする。
「え、何。クラウドってばおじさんなのに、恋バナとか興味あるの?」
「わしをおっさん扱いすんな! 黒ボスと白ボスよりちーっと上なだけやで。それより、はぐらかさんで人の質問に答えろや」
「アハハ、うーん……好き、なのかなー」
「なんや、煮え切らない答えやな。この間ジャッキーのことハグしたこととか、一緒に寝たこととか、なんとも思わんかったんか? 似たようなことはいつもしとったけど、あんときのは違うやろ」
「うん、まあ、何も思わなかったわけじゃないけど」
「仮にわしが相手やったらどうなんや」
「ええー、気持ち悪い。そういうの、セクシャルハラスメントって言うんでしょ」
「ひどい言い草やな。どこでそんな言葉覚えてきたんや」
ナナシは肝心なことはあまり覚えないくせに、余計な知識だけはすぐ身につける。
「アハハ、冗談、冗談。あのねー、なんだかすっごく辛そうで、悲しそうで、わたし、ジャッキーのこと守らなきゃって思ったんだ。でもねでもね、わたしにはそれができないの。だってわたし、体がないんだもん。人に触れないの。ぎゅーってする振りしかできない。一緒に寝る振りしかできない。ジャッキーが倒れたとき、わたしは何もできなかった。クダリに運んでもらって、それをただ見てるだけ。
だからね、わたしみたいな幽霊じゃなくて、悲しいけど、普通の女の子と一緒にいた方がジャッキーにとって幸せなんだろうなって思った。あ、あと、わたし、ジャッキーよりもおばちゃんだしね、アハハ」
「お前、少しは感傷に浸る間をくれや……」
年齢の話を持ち出すのは、冗談で悲しさを誤魔化すためなんやろうな、と思う。
泣きたいときに笑うんやない。嬉しいときに、いつものアホ面で笑ってくれや。
「なーに、クラウド。人の頭なんかなでて。子ども扱いしないでよ」
「実際子どもやろ。このロリババア」
「だ・れ・がロリババアだって!?」
引くわー、というようなポーズを取りながらナナシが渋い顔をするので、別にそんなつもりで医務室に行ったわけやないと笑ってしまう。
「別にのぞきに行ったんやなくて、様子を見に行ったらお前らが一緒に寝てただけや。というかお前、わしが来たこと気づいてたんに狸寝入り決めてたんかいな」
そう言うとナナシはえへへ、と舌を出して笑った。
「だって、幽霊に睡眠なんていらないもん。でも、ジャッキーが安心して寝られるように寝た振りしてたんだ。ひとりじゃないって思うと安心しない? するよね?」
いい年した男と女が同じベッドにいたら、緊張して寝られん気もするが。気にしないんはこいつが幽霊だからなんか、頭が子どもだからなんか。
「お前、ジャッキーのこと好きやないんか」
単刀直入に聞くと、ナナシの顔がクルマユのような表情になった。何気にこの表情を見るのははじめてな気がする。
「え、何。クラウドってばおじさんなのに、恋バナとか興味あるの?」
「わしをおっさん扱いすんな! 黒ボスと白ボスよりちーっと上なだけやで。それより、はぐらかさんで人の質問に答えろや」
「アハハ、うーん……好き、なのかなー」
「なんや、煮え切らない答えやな。この間ジャッキーのことハグしたこととか、一緒に寝たこととか、なんとも思わんかったんか? 似たようなことはいつもしとったけど、あんときのは違うやろ」
「うん、まあ、何も思わなかったわけじゃないけど」
「仮にわしが相手やったらどうなんや」
「ええー、気持ち悪い。そういうの、セクシャルハラスメントって言うんでしょ」
「ひどい言い草やな。どこでそんな言葉覚えてきたんや」
ナナシは肝心なことはあまり覚えないくせに、余計な知識だけはすぐ身につける。
「アハハ、冗談、冗談。あのねー、なんだかすっごく辛そうで、悲しそうで、わたし、ジャッキーのこと守らなきゃって思ったんだ。でもねでもね、わたしにはそれができないの。だってわたし、体がないんだもん。人に触れないの。ぎゅーってする振りしかできない。一緒に寝る振りしかできない。ジャッキーが倒れたとき、わたしは何もできなかった。クダリに運んでもらって、それをただ見てるだけ。
だからね、わたしみたいな幽霊じゃなくて、悲しいけど、普通の女の子と一緒にいた方がジャッキーにとって幸せなんだろうなって思った。あ、あと、わたし、ジャッキーよりもおばちゃんだしね、アハハ」
「お前、少しは感傷に浸る間をくれや……」
年齢の話を持ち出すのは、冗談で悲しさを誤魔化すためなんやろうな、と思う。
泣きたいときに笑うんやない。嬉しいときに、いつものアホ面で笑ってくれや。
「なーに、クラウド。人の頭なんかなでて。子ども扱いしないでよ」
「実際子どもやろ。このロリババア」
「だ・れ・がロリババアだって!?」