本編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まだ休憩時間も残っているのに出て行ってしまった彼と入れ違いに、とぼとぼと元気なさそうにひとりで休憩室に入ってくる彼女を見つけた。どうして彼女がこの時間にひとりでいるのか、理由は知っているけれど。
「どうしたのさナナシ、浮かない顔して」
「あ、ラムセス」
彼女は僕に声をかけられてやっとこちらのことを認識したようだった。それくらいぼーっとしていたのだろう。
「何か悩み事でもあるのかい」
僕が聞くと、彼女は目線を斜め下に向けながら口を尖らせた。
「うーん、なんかね、朝からジャッキーに避けられているような気がして」
「なんだ、そんなことか」
今まさにその理由を彼から聞いたばかりで、しかも話の内容が内容だったので思わず笑ってしまう。するとナナシはむすっと頬を膨らませた。
「そんなことって……わたしにとってはそれなりに大事なことなんだよ。また、何か怒らせるようなことしちゃったかなって。わたし、思ったことすぐ口にしちゃうから」
何も考えずに行動へ移すこともプラスされると思うけれど、それは一応口に出さず心に留めておく。
「それなら問題ないのさ。ジャッキーから聞いたけど、ナナシに何も非はないのさ」
夢の中でナナシのことを考えて、起きてみたら自分の有様にショックを受けただけ。終わり。ナナシは何も悪くないし、ジャッキーもただの生理現象なので別にあんなに落ち込む必要もない。
「そうなの? わたしには何も言ってくれなかったのに」
「男には男同士でしか話せない悩みもあるのさ。ナナシもあるだろう、女の子同士でしかできない話が」
ナナシは、うーん、と言いながらこめかみに指を置いて悩んでいた。
「どうだろ。わたし、生きてたら本当はおばちゃんだし、死んでからもう30年も経ったせいか、あんまり羞恥心とかないかも」
まあ、ナナシらしい答えといったところか。
「そうかい、まあとにかく男特有の悩みだから、今はそっとしておくのがベストなのさ」
「そうなんだ」
「それから、ジャッキーにはこの話内緒にしておいてほしいのさ。男には変なプライドがあるものなのさ。ナナシには、いつものナナシでいて欲しいのさ」
彼のことだから、何か悩みを持っていることが彼女にバレた時点で顔を真っ赤にさせて怒るだろう。なのでナナシにも、ジャッキーが悩みを抱えていること自体は言っておくが、それについて何か言及しないようにお願いをしておく。
「うん、わかった。ラムセス、ありがとー」
僕の話を聞いたナナシは笑顔で手を振りながら休憩室を出てぱたぱたと廊下を走って行った。足音なんて、するわけがないんだけど。
「全く、このふたりがくっつくのはいつになることやら」
「どうしたのさナナシ、浮かない顔して」
「あ、ラムセス」
彼女は僕に声をかけられてやっとこちらのことを認識したようだった。それくらいぼーっとしていたのだろう。
「何か悩み事でもあるのかい」
僕が聞くと、彼女は目線を斜め下に向けながら口を尖らせた。
「うーん、なんかね、朝からジャッキーに避けられているような気がして」
「なんだ、そんなことか」
今まさにその理由を彼から聞いたばかりで、しかも話の内容が内容だったので思わず笑ってしまう。するとナナシはむすっと頬を膨らませた。
「そんなことって……わたしにとってはそれなりに大事なことなんだよ。また、何か怒らせるようなことしちゃったかなって。わたし、思ったことすぐ口にしちゃうから」
何も考えずに行動へ移すこともプラスされると思うけれど、それは一応口に出さず心に留めておく。
「それなら問題ないのさ。ジャッキーから聞いたけど、ナナシに何も非はないのさ」
夢の中でナナシのことを考えて、起きてみたら自分の有様にショックを受けただけ。終わり。ナナシは何も悪くないし、ジャッキーもただの生理現象なので別にあんなに落ち込む必要もない。
「そうなの? わたしには何も言ってくれなかったのに」
「男には男同士でしか話せない悩みもあるのさ。ナナシもあるだろう、女の子同士でしかできない話が」
ナナシは、うーん、と言いながらこめかみに指を置いて悩んでいた。
「どうだろ。わたし、生きてたら本当はおばちゃんだし、死んでからもう30年も経ったせいか、あんまり羞恥心とかないかも」
まあ、ナナシらしい答えといったところか。
「そうかい、まあとにかく男特有の悩みだから、今はそっとしておくのがベストなのさ」
「そうなんだ」
「それから、ジャッキーにはこの話内緒にしておいてほしいのさ。男には変なプライドがあるものなのさ。ナナシには、いつものナナシでいて欲しいのさ」
彼のことだから、何か悩みを持っていることが彼女にバレた時点で顔を真っ赤にさせて怒るだろう。なのでナナシにも、ジャッキーが悩みを抱えていること自体は言っておくが、それについて何か言及しないようにお願いをしておく。
「うん、わかった。ラムセス、ありがとー」
僕の話を聞いたナナシは笑顔で手を振りながら休憩室を出てぱたぱたと廊下を走って行った。足音なんて、するわけがないんだけど。
「全く、このふたりがくっつくのはいつになることやら」