衣装によってどう性格が変わるのか検証しましょ!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それ、もう冷めていませんか?」
イソップくんの着替えを待っている間にソファに腰を下ろして、冷めてしまったココアを飲んでいたら後から声をかけられた
振り返ると茶色い髪にスーチームパンクのようなデザインの【バンカー】の服を着たイソップくんが私の手元を覗きココアが入ったカップを取り上げた
下ろしずらそうなマスクを外しそのまま先程まで私が口をつけていたココアを一口飲んだ
「…やっぱり冷めてますね」
『だ、大丈夫だよ』
「いえ、体を冷やしてしまいますよ
新しいのを準備しますね』
そう言った後マグに残っているココアを一気に飲みきりキッチンの方へと向かうイソップくんの背を見送ってしまった
手伝った方が良かっただろうか…でも自室で動き回られるのが嫌なタイプかも知れないし…
悩んでいる内に新しいココアを持ってイソップくんが隣に腰掛けた
「どうぞ…熱すぎないように少し冷ましておきました」
『ありがとう…』
温まったマグを両手で包むように持ち一口飲むと、体が温まるように甘いココアの味が口に広がった
何故かそれをジッと見つめるイソップくんの視線の意図が気になるけど…
「そのマグカップは先程と同じものにしました」
『へぇ…?』
「…つまりは間接キスをしてると言っているのですが」
淡々と告げるイソップくんの言葉を頭の中で往復する
かんせつきす…かんせつきす…間接キス!?
頭の中で言葉を理解した瞬間に顔に熱が集まり、これが物語の中ならボンッと頭が爆発したであろう衝撃が体に走り
手からマグを落としてしまい太ももや床にココアを零してしまった
『…ぁつ!!』
「っ!!」
イソップくんはすぐさまキッチンから氷水の袋を準備して太ももに載せタオルでココアを拭き取ってくれた
スカートに染み込んでしまったけれど…消えそうになさそうで少し悲しい
「…すみません、そこまで動揺するとは思わず」
『う、ううん!
気にしないで…氷水ありがとう』
「とりあえず着替えた方が良さそうですね…
お部屋までお連れします」
そう言い終わるや否や私を抱き上げる彼の行動に少しばかり驚く
納棺師は体力と力が必要な仕事だと、ナワーブくん達と話しているのをちらっと聞いたことがあったけど
軽々と持ち上げられるのは少し意外だった
『あ、歩けるよ、イソップくん』
「いえ、念の為氷水を患部に当てていて下さい」
聞く耳持たずと言った姿に口を閉ざす
どうか、自室まで誰にも会いませんようにと願いながらイソップくんに運ばれる
さすがに大きな怪我をした訳でもないのに運ばれるのを見られるのは甘えてるようで恥ずかしく感じるから…
その願いが叶い自室まで誰にも会うことはなかった
「失礼します」
『へ?』
イソップくんはゆっくり私の足を床に降ろすと遠慮なく空いた手を私のポケットに入れ何かを探るように動かす
それに驚いたのとくすぐったさでひゃっと思ったよりも大きな声を出してしまった
『ご、ごめんなさい…驚いて…』
「いえ…ですが、そういう声は自室などの二人きりの時に聞かせてください」
そう言いながら私のポケットから鍵を抜き取り扉を開ける
イソップくんの部屋と違って物が多いからか物珍しげに部屋を見渡す彼を横目に早く着替えようとウォークインクローゼットへと入る
汚れてるのはスカートだけだから早いとこ着替えてしまおうとしていると後から声をかけられた
「あの…」
『どうしたの?イソップくん』
「一応、怪我したところを見ておきたくて
跡が残ったら問題ですし…あまりにも酷いようでしたらダイアー先生に見てもらいましょう」
『あ…そうだね』
スカートを脱ごうとした手を止めて軽く捲るようにみると、内腿が赤くはなっているけれどそこまで問題はなさそうだ
その事を伝えようと振り返ろうとすると後から手が伸び、下ろそうとしたスカートの裾をそのまま抑えられた
片手で片方の脚を持ち上げられてマジマジと患部を見つめられることには流石に羞恥心が生まれる
「…酷くなさそうで安心しました
僕はクローゼットの外にいるので何かあれば呼んでください」
『あ、ありが、とう…』
「いえ…」
びっくりした…凄く驚いた…
イソップくんに触られた脚の部分を撫でる
ココアがかかった場所ではないのに熱が集まっているような感覚…心無しか顔も熱い気がする
それを誤魔化すように急いでスカートを履き替えて出ると、立ったまま私が作った絵本を読むイソップくんがいた
『おまたせ…
その本面白い?』
「…ええ、まぁ」
『そっか!へへっ良かったら好きな絵本持って行って!』
「ありがとうございます…
でも、いりません。読みたくなかったらここに来るので」
社交恐怖であるハズの彼からそんな言葉が出るとは思わず目を見開く
そして、また私が作った絵本を読んでくれることに少なからず嬉しさを感じ思った以上に顔がニヤける
『ふふっ約束ね』
「はい」
イソップくんの部屋に戻っている間も
次はどんな本を読んでもらおうかと考える時間がとても楽しかった
【バンカー】
fin
5/5ページ