私は昔から自分に変な性癖があるのは自負しているし、これが他人から見たら可笑しいと思われたり引かれてしまうのも経験上理解している。だから隠すように振る舞うしバレないようにしてきた
たまにボロが出そうになるがその度に冷や汗を流してきたが…もう限界だ
少し…少しでいいの…私を蔑んだり罵って！！さらにできれは首輪をつけたりして欲しいの！！納棺師さぁぁぁん！！
…とまぁ、ここで察している方もいるでしょう。そう私は被虐嗜好…つまりはドMであり！マゾヒストなのである！！

「いや、意味同じじゃね？」
「ナワーブ…あまり刺激しない方が良いよ」
『ってことで、イソップさんと良好関係が崩れない程度にこの嗜好を理解してもらい、かつ私の被虐性欲を満たしてもらうにはどうすればいいかな？』
「なんで俺らに相談しようと思ったんですか？」

そんなもん、イソップさんと仲良さそうなメンバーがあなた達だからだよ！と元気よく応えると
ここに(強制的に)集まってくれたナワーブさん、イライさん、ノートンさんは興味無さそうな哀れむような目で私を見つめる
やだ！何その目！少し興奮しちゃう！！

「確かティーナって調教師だろ？普通反対なんじゃねぇの？」
「いや、彼女の場合は調教師という職業の反動で被虐嗜好が生まれたみたいだよ」
「それだけ聴くとエロいですね」
『お褒めの言葉ありがとう！』
「褒めてはないです…」

ノートンさんのその蔑んだ目も結構いいぞ！もっとやってください！お願いsあ、ちょ、ごめんなさいごめんなさい！！そんなに引かないで！え？こういうのにも興奮しちゃうのかって？もちろんしますとも！！え、本当にどっか行こうとしないで！ドーナツ準備してあるから！！
どうにかドーナツで引き止めるに成功をした私は安心からの息をつく

『皆さんはイソップさんと仲良しじゃないですか～
秘訣とかないですか？彼近付くだけでも一苦労で…』
「…まぁ、イソップくんは…ねぇ」
「あー、な…」
「そもそも、イソップはユーレイルさんのこと「ちょっと待て！！ノートン！！」…言っちゃった方が良くない？」

気になるところでナワーブさんが言葉を遮ってしまった。そもそもなんだ？え？もしかして私もう嫌われてる？なら蔑まれ放題…げふん
いやいやいやいや、ゲームに支障をきたすからそれは困るよ…困るけど美味しい…
ん？嫌われる…？

『そうだよ！最初からその手があった！』
「は？」
『この性癖は誰でも引くし嫌われる可能性がある…
ゲームの為と思って好かれることに拘っていたけど、無理に拘る必要はなかったのよ！
ありがとう！3人とも！今からイソップさんに嫌われて引かれて蔑まれて会う度に嫌な顔をしてもらえる天国へと私は旅立つね！
んじゃ！御機嫌よう！！』
「あ、ちょ…」
「行っちゃいましたね」
「まぁ、結果オーライ？なんじゃないかな？」

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目的さえ決まれば一直線に彼の部屋へと向かう。緊張と高鳴る鼓動を抑えながらノックを2回する
辺りは静寂が訪れるけれど、部屋の中には人の気配を感じる

『急にごめんなさい。ティーナだけど
イソップさんにお願いがあって来たの…開けてくれない？』

そういうとさっきの静寂が嘘のようにドタバタと物音が響いた
…ああ、男の子だものね。仕方ないわね。男の子だもの
と1人納得していると扉が静かに開く、ジトリとした目付きで見てくる彼にああそこに不安そうな色が無ければさらに最高…っ！と心が昂る

「…どうなさったんですか？」

気だるそうな掠れた低い声に更に高鳴る
ああ、その声で！目で！蔑まれて睨まれたらどんなにいいだろう！？
近寄るな、触るな。なんて拒絶されて惨めに扱われて…ああ、ああ…もう想像しただけで限界…

『単刀直入に言うね！
私を被虐して欲しいの！！』
「…え？」
『つまりは蔑んで虐めて欲しい…できることなら思う存分調教してほしいの！！』

詰め寄るように前に出たけれどイソップさんは引くことはなくその場に留まったまま、戸惑うように私を見つめる
イソップさんは身長が高いから自然と上目遣いになりながら話すことになるけれど今はそんなことどうでもいい
とにかく、早く、私を嫌って引いて会う度に私を蔑んだ目で見…っ

『いっ…』
「本当に…いいんですか？
僕なんかが…僕がユーレイルさんを調教して…僕だけしか見ない…僕のことしか考えれない…
僕だけのティーナさんにしていいんですね？」

肩を強く掴まれたかと思うと無理やり顔を合わせるかのように顎を掴まれた
まるで吸い込まれそうな瞳…マスク越しにもわかる狂った表情をするイソップさんを見て直感した
ヤバい。この人は大分ヤバい。好きにさせてしまえば、もう今までの私じゃなくなるし
本当にイソップさん無しじゃ生きられなくしてくることがわかるくらいにはヤバい
完全に加虐性愛…否、調教師として色んな人を見てきたからわかる支配欲が強いタイプのサディストだと…そんな人に調教されるなんて

『もちろんだよ』

なんて素敵なのだろう…
きっと今の私はだらしない顔でイソップさんを見つめているのだろう
でも、仕方ないじゃないか。大好きなご主人様を見つけた犬は嬉しく付き従うのだから
ねぇ…早く、早く！！


【被虐嗜好少女はイソップ・カールに調教されたい】
(私を壊して)
(僕に壊されて)