人狼
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初日と違い翌日からは1日に数ゲームやることになって早1ヶ月
結局、最初のゲームからイソップに会えることは無かった
普段もハンターの人達とお茶したりお喋りしたり、エマに誘われてサバイバーの女性とご飯を食べたり
まだ全員には会えていないけれどたまに男性サバイバーの何人かも混ざったりして、毎日楽しい
でも、イソップに会えていない。社交恐怖症で人が多いところには混ざらないと聞いた。気配はするのに見つからないのはそのせいかな…
最初の内は鬼ごっこを楽しんでいたけれど、後半になるにつれやる気が削がれていった。対戦相手にも申し訳なさはあるけれど、気分って大事よね
遊ぶにしてもモチベーションが高くないとやる気が出ないもの
なんとなくやる気が出なくて開幕早々近くにあった窓枠に座った
「やぁ、こんばんは」
『…だれ?貴方』
青いローブに身を包んだアイマスクをした男が声をかけてきた
何だか不思議な雰囲気の人だ。目が見えないから口元を見てしか表情を確認できないが、柔らかい微笑みを向けてこちらに近づく
「初めまして…になるのかな
前のゲームの時に一応参加はしていたんだけど
僕は占い師のイライ・クラーク。よろしくね」
『イライ…あ、フクロウで攻撃を無力化した人ね!
あれのおかげで楽しい時間が伸びて嬉しかったの!ありがとう!』
肩に乗るフクロウと目が合った瞬間に昨日のことを思い出し、尻尾を振りながらイライの目の前まで近寄ると
君もなかなか独特だなぁ…と呟かれてしまった
「今日はもう遊ばないのかい?」
『ええ、なんだかやる気が出ないから』
「それはイソップくんがいないからかな?」
『…っ!?すごいすごい!!それも占い!?
イライは何でもお見通しなのね!!』
占いなんて生前はあの人達から危ないからと関わらせてもらえなかったし、山にいた時はそもそも人里には降りなかったから会う機会も無かった
ここは人が多いから色んな人がいて楽しい所で、毎日がキラキラしている
「なんでもではないかな…
さっきのはあくまで憶測だしね」
『貴方とても観察力が高いんだ!!
ふふっここは本当に楽しい場所だわ』
「…たまに、貴族のような口調になるね
見た目からは想像できないけど貴族の出身なのかい?」
その言葉に一瞬で心が冷めた気がした
私の冷めた目が怖かったのかさっきまでにこやかな笑顔をしていたのに、警戒心を強めたイライがこちらの出方を伺う
『…そうだよ。私はとある貴族の娘だったの
でも、齢8の頃に父上と兄様の鷹狩りに付き合わされた時にこっそり山奥まで行ったら
新しい母様に出会ったの。それからは母様と一緒に暮らしてた…確かに裕福ではないしみすぼらしい姿にはなってしまったけれど
とても幸せだった…なのに…人が……なんでもない
つまらない話をしたわ。とにかく私は楽しく暮らせればそれで良かったの…母様と一緒なら…』
「君のそのお母さんはもしかして…」
『…やっぱり鋭いのね
そうよ。私の狼の部分は母様なの。でも自我はもう無い…体だけ…分け与えてくれた…
私が自由になれるように歪ませてくれたの。私自身を
素敵な話でしょ??』
「……そう、だね」
目を逸らしながら同意をしてくれたけれど、きっとわかりはしないんだろうなぁ
理解なんてされなくていいけどね。いいの。私と母様は体だけでも一緒にいられてハッピーエンドだから
ただ、私が本当にちゃんと死んだらまた離れ離れになるのが怖いからこれは私の我儘なの
まだ遊びたい、楽しいことがしたいって、もっと誰かに優しく撫でられたり甘えたいって…イソップはそれを最後まで叶えてくれる気がするの
納棺師…だからかな。私が1番幸せになるように眠らせてくれるって直感で思ってるからこんなにもそばにいたいと思うのかな
わからない…けれど…
『早くイソップに会いたいなぁ…』
「君は本当に歪んでいるんだね」
イライの言葉は通電の音でかき消されたけれど
とても耳の良い私はその言葉を聞き流すことにした
【第4話】
fin