人狼
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ゲーム終了後は強制的にハンターの屋敷に戻されるとは聞いていたけれど。気づいた瞬間に目の前が本棚っていうのも不思議だ…
確か、この本棚には戦績が並ぶとか言っていたような…本能的にこの本だと思ったものを開くと私の戦績が載っていた
こんなふうに載るんだ…まぁ、どうでもいいや
本を元に戻しさっきから嫌でもわかる視線の方に顔を向ける
どうやらココは談話室になっているのだろう、こちらの様子を伺うような気配に深呼吸をする
『初めまして、私は人狼のルーヴ
趣味はかけっこ、好きなことは遊ぶこと、嫌いなことは拘束…
ここならたくさん遊べるって聞いて来たの
チームメイトとして…仲良くしましょ』
服の端をドレスのように見立てて挨拶をする
第一印象は大事、礼儀正しく、でも下の者とは思わせないように挨拶をする
ハンターの人達の概要はなんとなくは聞いている。上下を見極める人もいるだろうから、下手に威張らず、かと言って見下されないように注意をする
「あらまぁ、礼儀正しい子やねぇ」
「よ、よろしくぅ」
和服の女性と蜘蛛のような姿の女性がこちらに近寄りながら話しかけてくれる
その流れのまま1人ずつ自己紹介をしてくれた
ハンターだけでも名前を覚えるのが大変そうだ。と思いながら頭の中で名前を繰り返し呼びながら覚えようとする
他にもゲームだったり、用事で外している者たちもいるらしくこれで全員じゃない事にちゃんと覚えられるか不安になった
「まぁ、来たばかりだしね
名前はゆっくり覚えればいいさ」
『ありがとう…えっと、写真家の…』
「ジョゼフだよ。よろしくね」
綺麗な顔立ちの人だ。きっと良いとこ育ちの人なのだろう…こういう人は昔を思い出すから苦手だ
でも、こんなところにいるってことはこの人もなにか普通とは違うのだろう
私は微笑みながらも挨拶を返した
ハンターと言えど人外もいるが、話を聞くと元は人間の人が多いみたいだ。神様もいるみたいだけれど、普通に会話が成り立つ不思議な場所だ
窓の外を見ると舗装された広い庭園の先にもうひとつ屋敷が見える。庭園では麦わら帽子を被った少女と、大柄の男が花の手入れをしているようだ
「あっちはサバイバーの屋敷ですわ」
『…マリー』
「ふふっ、覚えて下さったのね」
それはそうだ。私は彼女のことは知っている
可の有名なマリー・アントワネット…彼女は無知なばかりに処刑された可哀想な人だ
楽しそうに小声で歌いながらたまに喉が痛むのかむせている彼女には同情心がでてしまうけれど
きっとそんなものを彼女は望んでいない。強い人なのだろう
『サバイバーの屋敷って行ってもいいの?』
「ええ、ハンターと仲良しなサバイバーもいるのよ
ゲーム外ではそれなりに自由に会えるわ。ただし」
「サバイバーにもハンターにも危害を加えてはならん
そういう決まりなのだ」
「あら、私が言いたかったのに」
いつの間にか背後に立っていたのはハスターだった
おどけた話し方をしているが、警戒心を削ぐためなのだろうか…気配は隠しきれないほどの嫌な気配がする
狼の本能がこいつはヤバい逆らうなと告げるほどにハスターはヤバい
『そう…なんだ…じゃあ、遊ぶだけならいつでもできるんだね
誰か遊んでくれないかな…』
また窓に顔を向け外を見るとサバイバーの屋敷からこちらへと向かう影が見えた
目を凝らさなくてもわかる。おどおどしながらも姿勢は綺麗なまま歩く彼はイソップだ
誰かに用があり、こちらの屋敷に来るのだろうか?少しくらい私に構ってくれないかな…いや、構ってもらおう
思い立ったらすぐ行動派の私は、出かけてくるとだけ言い外へと向かう
その光景を見ていたマリーは外を見て、微笑んでいたことには気づきはしなかった
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«イソップ視点»
ゲームが終わっていつものように戦績を確認するとそこには完全勝利の文字が
…何故、最後彼女は僕に爪を当てなかったのだろうか。それにあの時の泣き出しそうな表情も気になってしまう
彼女に背を押されるままゲート外に出されてしまったけれど、できればまだそばに居たかった…
「やぁ、お疲れ様。イソップくん」
「イライさん…お疲れ様です」
本を本棚に片し、化粧箱を部屋に片しに向かおうとしていたらイライさんから声をかけてくれた
彼は数少ない話しやすい人の1人だ
「浮かない顔だね…
彼女のことが気になるならハンターの屋敷に向かうといい
少なからず進展はあるよ」
「それも天眼で…?」
「いや、ちょっとした占い…かな」
まぁ、頑張ってとその場を後にするイライさんにお礼だけ伝える
ハンターの屋敷…僕はまだ1度も行ったことは無いけれど、何度かこちらに遊びに来るハンター達と話したことはある
ゲームの時とは違い平和に会話を紡ぐことに違和感はあるが、ここの人達は良い人が多い
…化粧箱を片したら覗くだけでも行ってみようか。話せなくてもいいただ彼女に会いたい
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ハンターの屋敷までの道のりはそう遠くはない道もちゃんと舗装され、広い庭園のようになっている為歩くだけでも気分転換にはなる
少し歩いているとエマさんがレオさんと一緒に綺麗に咲く花の手入れをしているのを見かけた
聞くところによると手入れはここの使用人がやるらしいが、ウッズさんが自分もやりたいと無理を通したらしい。彼女らしい発言だ…
2人を横目にゆっくりとハンターの屋敷へと向かう。それにしても屋敷に着いたとしてどう彼女を探そう…誰かに居場所を聞いて回るのも気が引ける。会う約束をしていた訳でもないのに
「ルーヴさん…」
『なぁに?』
「ひっ!」
声が聞こえた方を見るとすぐ背後にルーヴさんが立っていた。ゲームの時に見た人型の狼の姿の彼女は綺麗な瞳で僕を見つめる
ハンターでも僕よりも身長が低い彼女はしっぽをゆっくりと上下に揺らし、愉快そうに笑いドッキリ成功とピースサインをしてきた
『さっきぶりだね。イソップ
私の名前を呟いていたみたいだけど、もしかしなくても遊んでくれるの?』
「あ…その…」
『何して遊ぶ?かけっこ?鬼ごっこ?それとも、かくれんぼの方が良いかな??
ねぇ、何しよっか?』
「あれ?イソップさんなの!
それに…新しいハンターさん??」
笑顔で駆けてくるエマさん、その後ろからは優しく微笑みながらもついてくるレオさん
エマさんはとても人と仲良くなるのが上手だ。僕もゆっくりなら彼女とお話ができるぐらいに
「こんにちは!エマなの!よろしくなの!」
『よろしく、エマ。私は人狼のルーヴ
そちらのハンターさんもよろしくね』
「ああ、俺はレオだ…よろしくな」
服の裾をドレスのようにつまみ礼をするルーヴさんはまるでどこかのご令嬢のようだ
でも、最初会った時から思っていたけれど…彼女の服装は布面積が少ない…最低限度見えなければ良いとでも言うような格好のせいか、動く度にあらぬ所を見てしまいそうになる
まだ人狼の姿だから大丈夫だけれど、人の時の姿の時はとても心配だ
「それで何を話していたの?」
『イソップと何をして遊ぶか話していたの
そうだ!あなた達も一緒に遊びましょ!!かくれんぼとか!』
「楽しそうなの!エマもやるの!
パパも一緒に遊ぶなの!」
「俺は…こんな巨体だから」
『じゃあ、鬼をお願いしてもいい!?
30秒数えて、隠れる場所はこの庭園内!!
なかなか広いから…そうね。上から見た感じ30分もあれば1周できる広さだったから、アラームをかけて40分以内に全員見つからなかったら私達の勝ちね!
隠れる側は最初に隠れた場所からは動いちゃダメよ!』
じゃあ、ゲーム開始ね!と笑いながら駆けていくルーヴさんに続くように走り出すエマさん
残された僕とレオさんはお互いに苦笑いをし、目を閉じ数を数え始めたレオさんを背に僕もかくれ先を探しに行くことにした
【第2話】
(本当にこんな感じで彼女と進展なんてあるのだろうか…)
Fin