私と兄の話
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兄と付き合い出したからといって劇的に何かが変わったわけではなかった
私は学校と家の事をするのは変わらないし、兄が叔父の仕事を教わるのも変わらない
何も変わらない日々に少しだけ変わったこととすれば、1人で眠れないからという言い訳をしながら兄の部屋によく行くようになったことと
こっそり眠る前に口付けをするようになったこと…あとは
『兄さん…』
「今の僕は恋人だよ」
『あ…ごめんなさい、イソップ…』
良い子、と頭を撫でおでこにキスをしてくれる彼に甘えるように抱きつく
いつの間にか、二人きりの時は恋人として話すのが約束みたいになっていた
イソップは普段…人肌が苦手になりつつあるのか手袋とマスクを常に付けるようになっていた。けれど、この時だけは外して私に触れてくれるのが嬉しくって気を抜けばにやけてしまいそうだった
「…何を考えているの?」
『ん…イソップのこと…』
「そう…ならいいよ」
ゆっくりとした手つきで丁寧に服を脱がされるのを見つめる
彼の動作は美術品のように綺麗だから、恥ずかしさよりもイソップの動きを…今の彼の姿を1つも見逃さなないようにと見つめる
そんな私に困ったように微笑みかけるところは可愛らしいと感じてしまう
「いい、よね?」
『うん…』
壊れ物を扱うように触れてくる手に心地良さを覚えながら、寝ている叔父に聞こえないように声を抑える
先程まで優しく微笑んでいた彼が獣のような目付きに変わる瞬間も好きでつい見とれてしまう
「愛してる…カナリア」
『わ、たしも…愛してる』
そんないけない夜を過ごすのは1度や2度じゃなかった…
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翌日は少なからず痛む腰を我慢しながらできるだけ普段通りに振舞った
ジェイは人探しに躍起になっているのか、私の変化には気づけない様子だった…それは良かったのか悪かったのかはわからないけれど
「いってくる」
『…ジェイ、少し休んだら?
最近顔色も悪いよ』
「…心配をかけてすまない
けれど、やらないといけないことがあるんだ
物分りの良いカナリアならわかってくれるね?」
ジェイのその言葉に私は彼は死者を探している…
それも、彼の中では重要な人なんだ…と思った
私の頭を撫で出かける姿を見送る。この時ちゃんと止められていたら少しは何かが変わっていたのかもしれない
【第8話】
fin