私と兄の話
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最近兄の服がサイズが合わないように見えたから、新しく服を仕立てた方が良いんじゃないかなと思う
せっかくなら叔父の服も作ってあげよう…見た目は変わらないけれど採寸は大事よね
『ってことで、2人ともそこに立って』
「私の分はいいよ」
「ダメだよジェイ…こうなったカナリアは止められないから」
諦めたように立ち上がる兄に習い立つ叔父に満足そうに笑みを浮かべる
メジャーで採寸をしていく、2人の方が身長が高いから背丈や肩幅、腕は行儀が悪いけれど椅子に乗りながら測る
やはり兄は身長が伸びていた。本来なら学校に通う歳だ…伸びるのはおかしくはない歳だけれどなんとなく負けた気になる
『いいな…私は去年から1センチしか伸びてないのに』
「女の子はそのぐらいがいいじゃないか
可愛らしくて」
『そうじゃないの!ジェイ!』
「…難しいな、年頃の子は」
2人の採寸をメモし部屋にある布の量を思い出す…
さすがに男性二人分は無理そうだと判断した私は、早めだけどご飯の買い出しついでに街に布を買いに行くことにした
『少し出かけてくるね
明日の朝には出来上がるから楽しみにしていてね』
弾むような声色になってしまうのは許して欲しい
大事な家族への贈り物はいつでも楽しいものだから…
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翌朝、完成した服を綺麗な袋に入れてリビングに置く。喜ぶ顔が見たくて二人が起きてくるのを今か今かと待ち構える
服はシンプルなものだし…仕事柄か落ち着いた色の服にしたけど
いつかはもっとオシャレな服を作ってあげたいな…その為にはもっと良い布を仕入れられるように頑張らないとだけど
「おはよう」
『ジェイ!おはよう、見て新しい洋服!』
「今回もとても綺麗にできているね」
『でしょ!!』
「カナリアは服のことになると年相応に見えるね
いつもは背伸びしたような反応なのに」
頭を撫でられることと褒め言葉…それに少し照れているとそう言われた
たまに友達にも大人びていると言われたりするけど、そうなのだろうか?自分はまだ子供だと思っているのだけれど
「…おはよう」
『兄さん!おはよう!
ほら、これ兄さんの新しい服!』
「ありがとう、カナリア」
微笑みながら服を受け取る兄の顔にまた見惚れてしまう
ああ、いけない。これは家族に向ける感情じゃない…
『どこか違和感があったりしたら言ってね
すぐに直すから!』
「わかった…」
気持ちに気づかないように逃げ場として朝食の準備に取り掛かる
もう並べるだけですぐに食べれる朝食をせかせかと運ぶ
今となっては、この時には兄は決意をしていたんだと思う
【第6話】
fin